射出成形のネジ抜きについて

射出成形のネジ抜きについて解説します。ここでは射出成形のネジ抜きとはどのような技術であるかをわかりやすくご案内します。また、ネジ抜き金型の特徴や射出成形のネジ抜きによるキャップの製造方法をご紹介します。あわせて射出成形ネジ抜き機の方式としてギヤ式、モータ式(ACサーボモータ)、モーターレスのそれぞれの特性を解説します。
目次
射出成形のネジ抜きとは
射出成形のネジ抜きとは、製品の内側にネジ山を成形する技術です。後述するネジ抜き金型を使用して成形するもので、ネジ抜き金型を使用し、樹脂が固まった後にコア金型を回転させながら引き抜きます。こうした特殊な金型を用いることで、製品のネジ山を傷つけずに取り出せるようになります。ネジ抜きはねじ山が不可欠な製品の製造に広く使われており、ネジ抜き製品は私たちの身の回りにあふれています。一例をあげるとペットボトルです。ペットボトルのフタの内側はネジ状になっており、これらは後述するネジ抜き金型によって成形されています。ペットボトルのフタ以外にもネジ抜きで成形される製品は多岐に渡ります。精度が求められる医薬品キャップ、食品の鮮度を保つための食品容器キャップ、開封したかどうかが分かるタンパーエビデンスキャップなども射出成形によるネジ抜き製品の一例です。ペットボトル以外にも、プラボトル、プラスチック・チューブ、金属チューブ、ガラス瓶などの容器には、それに対となるキャップやフタが存在します。それらのキャップ(コネクタキャップ含む)やフタも射出成形によるネジ抜き製品です。このようにネジ抜き製品は日常生活に欠かせないものとなっており、連日大量生産されています。射出成形のネジ抜きのメリットとしては、ねじ山を正確に再現し、高品質、高精度な成形品を安定して大量生産できる点です。また、破損を防ぎながら自動で製品を取り出すため、成形不良品の発生を抑えることができます。加えて、成形不良が減るため、トータルコストの削減も期待できる技術です。
ネジ抜き金型の特徴
ネジ抜き金型の特徴を解説します。ネジ抜き金型とはネジ抜き製品を成形するための金型です。たとえば内側にネジが刻まれたキャップを製造する際、ネジが刻まれたコア金型を使用します。しかし、キャップのネジは内側に山がある内ネジのため、樹脂充填後、コア金型をそのまま引き抜くと、製品に傷がついてしまいます。そのためコア金型を回転しながら型を開くという特殊な工程が必要となります。型開きの際にこうした回転操作が要求される金型をネジ抜き金型(unscrewing mold)と呼びます。ネジ抜き(ねじ切り)金型は、スクリューキャップ構造、ネジ回転抜き機構、ストリッパー構造などで構成されます。スクリューキャップ構造はねじ山を成形する部分に当たり、この部分でキャップの内側にネジ山を成形します。ネジ回転抜き機構は、成形後にネジを回転させて金型から外す仕組みですが、製品に傷をつけないよう正確な回転が求められる機構です。ストリッパー構造は、成形品を金型から取り出すための部分で、回転抜き機構と同様、製品の外観品質に大きく影響します。これらの構造が適切に機能することで、ネジ抜き金型は複雑なねじ山を持つ製品を高精度で作ることが可能となります。また、ネジ抜き金型は使用する鋼材にもよりますが、耐久性の高い鋼材で製作すれば、長期にわたって安定して高精度のネジ抜き製品を大量生産することができます。ネジ抜き金型をめぐっては現在、耐久性や機能性がさらに期待される新材料の開発が進んでいるのに加え、環境負荷の少ない材料を使った製品開発が進んでいます。さらに、生産ラインの自動化が進む中で、金型の自動交換やメンテナンス技術が進化しているのに加え、省エネルギーで製造できる金型技術の研究が強化されていることなどから、今後さらに多くの産業分野で応用されることが期待されています。
射出成形のネジ抜きによる製品例-キャップの場合
射出成形のネジ抜き(ねじ切り)製品の主な製品としては各種製品のキャップ、ふたがあります。キャップの製造工程でははじめに金型を型締めすることから始まります。そのうえで溶融したプラスチック樹脂を金型に注入、射出し、ねじ山の形をしたコアに沿って充填します。その後は冷却、固化を待って型を開きます。通常の製品であれば、型を開いて製品の取り出しとなりますが、ネジ抜き製品の場合は、モーターや油圧シリンダーによって駆動されるラック・アンド・ピニオンなどの機構が作動し、ねじ山のコアが回転します。なお、射出成形のネジ抜き機の方式は後述のとおり、モーター式(ACサーボモーター式)以外にもギヤ式、モーターレスなどがあります。最後に成形品のネジ部からコアが抜け、金型から成形品を取り出します。コアが回転することで、成形品がねじを緩めるようにして金型から外れます。
射出成形ネジ抜き機の回転機構
射出成形ネジ抜き機の回転機構をご紹介します。射出成形ネジ抜き機の回転機構はギヤ式、モーター式(ACサーボモーター)、モーターレスなどがあります。ここではギヤ式、モーター式(ACサーボモーター)、モーターレスのそれぞれの特長などを解説します。
ギヤ式
射出成形ネジ抜き機の回転機構のひとつであるギヤ式は、金型に回転駆動の機構が一体となって組み込まれたものです。型を開く動きによってギヤが回り、コアの回転駆動が行われる仕組みになっています。ギヤによって動作が行われることにより、確実な動作が行われるのがメリットです。半面、回転駆動機構が個々の金型ごとに必要となるため、金型自体が複雑になる傾向があります。その分、製造コストも高くなる場合があります。
モーター式
射出成形ネジ抜き機の回転機構のひとつであるモーター式は、回転駆動部は成型機の機構、機能の一部として設置されます。そのため金型部もギヤ式のものと比べて簡素な構成となり、ネジ抜き金型と回転駆動部が分離して考えられるのがメリットです。種類の異なる複数の金型を交換して、多品種のキャップ類を生産する現場においては、柔軟性の高いシステムといえます。モーターには汎用モーターとACサーボモーターがありますが、汎用モーターが単純に回転するだけのモーターであるのに対し、ACサーボモーターは上位制御機から回転速度や停止位置を高精度に制御して、運転できる強みがあります。回転速度や停止位置の高精度制御に加えてACサーボモーターは、種類の異なる金型に対して、速度や回転数などにおいて、それぞれの最適値の回転駆動を提供可能な点でも汎用モーターを上回る性能があります。また、ACサーボモーターはネジ山の切り出し位置が揃います。単純形状の円筒形のキャップを製造する場合、切り出し位置のズレはある程度許容されます。しかし、キャップの頭の部分がヒンジの開閉式になっていて、開くと内容物のノズルを兼ねるヒンジ・キャップと呼ばれる製品では、切り出し位置の精度要求が厳しくなります。また、角形の容器に合わせて同じ形状にしたキャップやオーバルと呼ばれる楕円形のキャップでは、容器とキャップの角度が一致することが前提のデザインであるため、ヒンジ・キャップ以上に精度要求は厳しくなります。このような場合に、ネジ山の切り出しを毎回同じ位置から行えるよう、コア金型の位置決めが正確なACサーボモーター式は強みを発揮します。
モーターレス
射出成形ネジ抜き機の回転機構のひとつであるモーターレスは、製品とシャフトがすれる、バックラッシュでネジ部に戻ってしまう、ネジの切り始めが一定にならないといったモーター式のデメリットを改善した方式です。モーターレスはサイクル・タイム(サイクルタイム)が短いメリットがあります。モーター駆動の場合は、モーターを急停止させたとしても惰性によって完全に停止するまでに一定時間を要します。製品1個単位で見れば、わずかな時間ですが、大ロットを生産する場合、サイクル・タイムに大きな差が生じます。モーターレスはその無駄な時間を省けるメリットがあります。またモーターレスはモーターの惰性が無いため、全ての製品のネジの始点を同一にすることができます。ほかにもモーターレスは、コストが安いうえに回転部の製作が容易、固定側、可動側、スライド側の全てでネジ抜きできるメリットがあります。
プラスチック樹脂射出成形は三光ライト工業にお任せください

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