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2色成形で使用する樹脂・材料

2色成形 樹脂・材料

2色成形で使用する樹脂は硬質材料から軟質材料まで多岐に渡ります。主な材料についてその特長、用途を併せてご紹介します。また材料の組み合わせと相性(密着性)について説明します。

2色成形で使われる樹脂(熱可塑性樹脂)

2色成形で使われる材料はすべて熱可塑性樹脂です。大きく硬質材料の汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、軟質材料のエラストマーに分類されます。

汎用プラスチック

2色成形で使用する汎用プラスチックは、ABS、PMMAなどがあります。

ABS

ABS

ABSはアクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styren)共重合合成樹脂の総称で、熱可塑性でグレードにより耐熱温度は70~100℃といった特徴があります。用途は、車の部品やカーナビ、電化製品、プラモデルなど用途は多い。

PMMA

PMMA

PMMA(Poly Methyl Methacrylate)はポリメチルメタクリレート樹脂 (ポリメタクリル酸メチル樹脂)の略称で「アクリル」とも呼ばれています。外観自然色は透明で4大透明樹脂に数えられるなど高い透過性を有します。メガネ、各種ピックアップのレンズ、食品容器、大きなものでは、水族館の水槽などがあります。

エンジニアリングプラスチック

2色成形で使用するエンジニアリングプラスチックは、PC、PBT、PC-ABS、PAなどがあります。

PC

PC

ポリカーボネート(polycarbonate)は、熱可塑性プラスチックの一種で透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸法安定性などにおいて、高い物性を示します。耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上ともいわれます。自動車用ヘッドライトレンズ、照明レンズ、サングラス 、眼鏡、スイミングゴーグル、スキューバーダイビングマスク、ヘルメット、CDやDVDディスクなどが挙げられます。さらにPCにガラス(GF)を10~30%入れ強度を強化したものは、携帯電話、スマートフォンの筐体などに採用されています。

PBT

PBT

PBTはポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)の略でエンジニアリングプラスチックの1つです。熱安定性や寸法精度、ガラス繊維で強化されたPBTは、機械強度が高く、電気特性に優れるため、電気電子部品や自動車部品、コピー機部品、コネクター・ソケットなどに幅広く利用されています。

PC-ABS

PC-ABS

PC-ABSは(ポリカーボネート・アクリロニトリルブタジェンスチレン)の略で剛性、硬度、加工性、耐衝撃性、曲げ疲労性など機械的特性のバランスに優れます。表面の美感や塗装性、印刷性も兼ね備えます。用途は車載部品、携帯電話機、スマートホン部品に使用されています。

PA

PA

ポリアミド(polyamide) は、酸とアミンが反応してできるアミド結合(たんぱく質と同じ結合)を持つ高分子化合物の総称です。一般にナイロンと呼ばれています。用途は、自動車部品であるシリンダーヘッドカバ、インテークマニホールドはじめとし、ギアやコネクターなど、いろいろな産業に使用されています。

エラストマー

エラストマーは材質がゴムに類似しており軟質プラスチックの代表的な材料です。2色成形で使用するエラストマーは熱可塑性エラストマー(TPE、Themo Plastic Elastomer)で、スチレン系(TPS)、オレフィン系(TPO)、ウレタン系(TPU)、エステル系(TPEE、TPC)、アミド系(TPAE)などがあります。

ポリスチレン系(TPS)

ポリスチレン系(TPS)

TPS(スチレン系熱可塑性エラストマー)は、柔軟性、弾力性に優れ、最もゴム的性状を持つTPEです。成形性、柔軟性、機械強度等の耐久バランスに優れることから、自動車や日用品から家電まで幅広い用途に使用されています。

オレフィン系(TPO)

オレフィン/アルケン系(TPO)

オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、塩化ビニール系、スチレン系とともに三大熱可塑性エラストマーの一つです。常温ではエラストマー(弾性体)であり、ゴムのような性質を持ちながら、一般のプラスチックと同様に成形加工が可能です。

ウレタン系(TPU)

ウレタン系(TPU)

ウレタン系熱可塑性エラストマーは、機械的強度、ゴム弾性、耐摩耗性、耐屈曲性、耐油性などに優れ、熱可塑性を持つウレタン系樹脂です。特に耐摩耗性は熱可塑性エラストマーの中で最高とされます。

エステル系(TPC)

エステル系(TPEE、TPC)

エステル系熱可塑性エラストマーは、硬度と柔軟性を両立させた、プラスチックとゴムの間の存在の材料で、優れた曲げ疲労特性、耐屈曲性を持ちます。熱可塑性エラストマーの中でも使用温度領域が広いのが特徴です。

アミド系(TPA)

ポリアミド系(TPAE)

アミド系熱可塑性エラストマーは、化合物フラグメントがアミド結合で多数連結した高分子化合物で、その代表としては6,6-ナイロン(6,6-ナイロン)が挙げられます。強靭なことで知られ、耐薬品性、耐摩耗性もあわせもつ熱可塑性エラストマーです。

2色成形で使用できない素材

以下の素材は、2色成形では使用ができない(使用をお勧めしない)素材です。

PP

PP

ポリプロピレン(polypropylene)は、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂で、汎用樹脂の中で、最高の耐熱性を誇ります。強度が高く、耐薬品(酸、アルカリ)性に優れます。

POM

POM

ポリアセタール(polyacetal)またはポリオキシメチレン(polyoxymethylene)は、オキシメチレン(oxymethylene、−CH2O−)構造を単位構造にもつ結晶性樹脂です。結晶化度が高いため2色成形には不向きで工夫が必要です。耐衝撃性や耐摩耗性に優れ機構部品である、歯車やカムなどに多く使用されます。また、車載の部品にも使用されています。

ポリ塩化ビニル系(TPZ)

ポリ塩化ビニル系(TPZ)

ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)または塩化ビニル樹脂は合成樹脂(プラスチック)の1つで、塩化ビニル(クロロエチレン)の重合反応で得られる高分子化合物です。ウェザーシールやケーブルなどで幅広く使用されている、耐性と柔軟性に優れた加硫ゴムに近い特性をもちます。用途は、ビニル粘着テープ、塩ビ管、継手だけでなく、玩具、文具靴、カバンなど様々な物に使用されています。成形には、一般の射出成形機では成形できず、専用機が必要です。

材料の組み合わせの相性(密着性)

2色成形では、組み合わせる材料の相性(密着性)が製造の可否を決めます。主な材料の密着性を以下のページにまとめました。TPC、TPUが軟質材料(エラストマー)で、他は硬質材料です。具体的な検討につきましては、弊社営業技術部にいつでもご気軽に相談して下さい。

2色成形材料の組み合わせの相性(密着性)

2色成形材料に関するご相談について

2色成形の材料につきましては、弊社営業技術部にご気軽に相談して下さい。電話でもメールでも受け付けております。2色成形の材料について弊社は長年の経験、ノウハウを活かして顧客様の要求に最適な提案をさせて頂けると思います。弊社は製品設計から金型製作、試作、量産まで自社一貫生産で手掛けております。詳細な図面、データを頂かなくでも概略図や構想イメージから製品を具現化することには多くの実績があり顧客様から高い評価を頂いております。

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