三光ライト工業は高度な2色成形(ダブルモールド)技術でお客様のニーズにきめ細かく対応します。2色成形とはどのような技術か、そして当社の2色成形がなぜお客様に高く評価されているのか詳しくご案内します。
2色成形の特長
様々な成形技術をあわせ持つ三光ライト工業。そのなかでもお客様から高い評価を頂いているのが2色成形です。2色成形とは。その特長をご説明します。
一般的な2色成形の工程・工法
2色成形とは、異なる樹脂や材料、具体的にはプラスチックやエラストマーを組み合わせて一体化させる成形工法です。1つの工程やサイクルで2つの樹脂や異材を組み合わせることからダブルモールド(doublemolding)とも呼ばれます。成形機には、2本のノズル、シリンダーがあり、それぞれから金型内部に順次、射出充填して2種類の部品を製造することが可能です。2色成形の一般的な工程は金型の凹側、いわゆるキャビティ(cavity)の異なる2つの金型を用います。その上で、以下の4工程を1サイクルで繰り返し、熱融着(溶着)するのが2色成形(ダブルモールド)の一般的な工法となります。
1次Cavityと2次Cavityを組合せ型締め
CoreA稼働側に射出充填
型を開きCoreAとCoreBの金型を回転
180°回転しCoreAとCoreBの場所が入れ替わる
再型締め。CoreA側には1次製品があり、CoreB側には製品はない状態
同時射出をしてCoreAとCoreBにそれぞれ異なる材料を射出充填
CoreA、CoreBの成形が完了したら型が開き製品が突き出され完成
型が開いて180°回転し、再度同じプロセスを繰り返し量産
2色成形と他の射出成形との違い
2色成形と他の射出成形やインサート成形との違いはいくつかありますが、上記2と4(稼働側の金型を180度回転)で見られるように、2色成形は他の成形工法と異なり、180度回転や反転といった工程が加わるのが特徴です。多機能な成形品が1工程で生産できるため、付加価値の高い成形部品を生産することが可能です。また、大量生産にも適しています。ただし、金型設計には肉厚の調整が必要ですし、使用する樹脂同士の接合や流動解析においても高度なノウハウが不可欠で、ノウハウが無ければ樹脂の剥離といった不具合が起きてしまいます。さらには金型の温度コントロールにも細心の注意が求められます。このように異なる樹脂や材料、プラスチック(plastic)、エラストマーを組合わせる2色成形は、確かな技術なくして確立しない工法といえます。その点、当社は2色成形で豊富な実績がありますので、お気軽にお問合せください。
2色成形が生み出すメリット
高品質とコストダウンを両立する三光ライト工業の2色成形。そのメリットについて詳しくご説明します。
工数・コストの削減
2色成形は、一般的な射出成形に比べ製品設計が難しく、加工や材料選択などのノウハウを必要としますが、組み立ての手間を省けるため、時間と費用を節約できます。大量生産ともなると、何千、何万ものパーツの組立てや接着の工程が生じます。2色成形であれば、これらの工程を省略あるいは簡略化できるため大幅な工数・コスト削減につながります。また、2色成形はプラスチック接着剤を使用しませんので環境面においても優位性があるといえます。
異なる材質の組み合わせも可
異なる材質、材料を組み合わせられるのも2色成形の大きな特長です。2次側成形樹脂にエラストマーを採用すれば、シーリングや衝撃吸収、振動減衰、グリップ性能などの機能も備わります。1次側部品を2次側成形樹脂で包み込めば、封止といった気密性が向上します。意匠的にも1次側樹脂と2次側樹脂を対照的な色にすることで、 文字やロゴなどをあしらえるためデザイン性も高まります。また、当社はプラスチックに高濃度の着色剤を分散させ、プラスチックの成型時に規定の倍率で希釈する樹脂用着色剤であるマスターバッチなどにも対応します。
2色成形で使用する樹脂・材料
2色成形で使用する樹脂や材料は多岐に渡ります。主な材料についてその特長、用途を併せてご紹介します。また材料の組み合わせの相性(密着性)について説明します。
2色成形で使われる樹脂(熱可塑性樹脂)
2色成形で使われる材料はすべて熱可塑性樹脂です。大きく汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、エラストマーに分類されます。
汎用プラスチック
2色成形で使用する汎用プラスチックは、ABS、PMMAなどがあります。
ABS
PMMA
エンジニアリングプラスチック
2色成形で使用するプラスチックは、PC、PBT、PC-ABS、PAなどがあります。
PC
PBT
PC-ABS
PA
エラストマー
2色成形で使用するエラストマーは熱可塑性エラストマー(TPE、Themo Plastic Elastomer)で、スチレン系(TPS)、オレフィン系(TPO)、ウレタン系(TPU)、エステル系(TPEE、TPC)、アミド系(TPAE)などがあります。
ポリスチレン系(TPS)
オレフィン系(TPO)
ウレタン系(TPU)
エステル系(TPC)
アミド系(TPA)
2色成形で使用できない素材
以下の素材は、2色成形では使用ができない(使用をお勧めしない)素材です。
PP
POM
ポリ塩化ビニル系(TPZ)
三光ライト工業の2色成形品生産体制
三光ライト工業の2色成形技術を支えている基盤。それは、製品設計から金型製作、試作、量産に至るまでの国内自社工場一貫生産体制です。当社の強力な生産体制をご紹介します。
設計、金型製作、試作、量産まで自社一貫体制
三光ライト工業は2色成形製品の設計、試作、量産、塗装はもとより、金型の設計製作も国内の自社工場で行っています。自社一貫生産体制により、お客様のニーズにきめ細かく対応するとともに、短納期・コストダウンを実現します。また、自社一貫生産のメリットを最大限に活かし、変更や修正といったご要望にも柔軟に対応します。2色成形は通常の射出成型に比べ、高度なノウハウが求められます。たとえば、金型設計には肉厚の調整が必要であるのに加え、使用する樹脂についても豊富な接合、接着測定データ、流動解析が不可欠です。さらには金型の温度コントロールにも細心の注意を払う必要があります。その点、2色成形で豊富な実績を持ち、国内自社工場一貫生産体制を構築している当社であれば、2色成形ならではの様々な技術的課題をクリアすることができます。
最新鋭の全自動2色成形機を10台保有
三光ライト工業は生産拠点として川崎工場(本社)と埼玉工場の2工場を構えており、中原工場の試作機を合わせて、全自動2色成形機を計10台保有しています。最新鋭の設備、機器、機械、technologyを駆使してお客様のあらゆるニーズにお応えするとともに、低価格・短納期を実現します。当社の充実の全自動2色成形機をご紹介します。
全自動2色成形機250t(試作機)
- 中原工場
- 日精樹脂工業製 1台
全自動2色成形機140t
- 川崎工場
- 日精樹脂工業製 4台
- 埼玉工場
- 日精樹脂工業製 1台
全自動2色成形機110t
- 川崎工場
- 日精樹脂工業製 3台
全自動2色成形機60t
- 川崎工場
- 日精樹脂工業製 1台
工場紹介動画
2色成形の製作事例集
三光ライト工業は高度な2色成形技術を駆使して自動車車載品やスマートフォン部品などを幅広く製造しています。当社が手がける製品の一部をご紹介します。
2色成形の自動車車載品
当社の豊富な製品群のなかでも近年、特にシェアを拡大しているのがインシュレーターやサイドスポイラーを含む自動車の車載品です。いずれも自動車メーカーの高い要求をクリアした最良の製品です。
2色成形のスマートフォン部品
当社はスマートフォン部品でも豊富な実績があります。高密着の多色成形技術がスマートフォンの諸機能を保護しています。
その他2色成形の各種部品
当社は車載品やスマートフォン部品以外でも、用途にあわせて2色成形による各種工業製品や精密部品を取扱い、ご提案しています。その一部をご紹介します。
2色成形以外の射出成形
弊社は2色成形のほかにも防水機能などに優れたLIM(Liquid Injection Moulding:液状射出成形)成形についても最新鋭の設備を導入しています。また、インサート成形も全自動で対応することも可能です。いつでもお気軽にお問い合わせ、ご依頼ください。お問合せフォームのほか、お電話、メール、FAXなどご都合のよろしい方法でお申し付けください。素早くお見積り申し上げます。
