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真空成形で使用するアクリル樹脂について

真空成形 アクリル

真空成形で使用するアクリル樹脂について幅広く解説します。ここでは真空(圧空)成形で使用するアクリル樹脂の代表的な素材であるPMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)の特長をはじめ、真空成形で使用するアクリル樹脂以外の透明材であるPC(ポリカーボネート)、PVC(ポリ塩化ビニル:塩ビ)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)についてもご紹介します。あわせて真空成形で使用可能なアクリル変性製品や真空成形以外でアクリル樹脂を使用する成型工法も解説します。

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真空(圧空)成形で使用するアクリル樹脂PMMA

真空(圧空)成形で使用するアクリル樹脂としてはPMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)があります。ここではPMMAの主な特性である対候性、耐衝撃性、透明性について解説します。なお、ここでは真空成形と圧空成形(圧縮空気を使用した工法)を同じ工法として解説します。

対候性

アクリル樹脂PMMAは太陽光や風雨、雪などの気象条件に高い耐候性を有しています。そのため、PMMAは真空成形で製造した看板や建築材料に多用されます。また、屋外で使用しても劣化が起こりにくいことから、自動車のランプレンズや電飾看板のカバーなどにも度々使用されます。 透明度や強度が低下しにくい素材で、使用条件にもよりますが、10年~20年程度の耐久性があります。

耐衝撃性

PMMAは割れにくさに加え、耐衝撃性も兼ね備えています。PMMAの耐衝撃性はガラスの10倍~15倍ともいわれ、万一破損してもガラスのように破片が飛び散る危険性が低いのも強みです。こうした特性を生かし、PMMAは水族館の水槽や自動車のテールランプ、メーターカバー、カーポート、サンルーム、ゲーム機、アミューズメント機器など様々な製品に成形されています。アクリル樹脂PMMAは真空成形の材料としてもひんぱんに使用されています。

透明性

アクリル樹脂PMMAは他の熱可塑性樹脂・材料と比べて透明性、透明度が高いのが特長です。その透明度を示す光線透過率はガラスを超える94%を誇り、光学レンズや飛沫防止用の仕切り板などにも使用されています。あわせて 優れた加工性切断、穴あけ、曲げなど加工の自由度が高い素材であるため、真空成形の素材として幅広く使用されています。

真空成形で使用するアクリル樹脂以外の透明材

真空成形で使用するアクリル樹脂以外の透明材

真空成形で使用するアクリル樹脂以外の透明材としてはPC(ポリカーボネート)、PVC(ポリ塩化ビニル:塩ビ)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)などがあります。ここではPC、PVC、PET、PSのそれぞれの材質特性などを解説します。

PC(ポリカーボネート)

ポリカーボネートは透過性では無機ガラスに劣りますが、耐衝撃性能が高いアクリル樹脂をさらに上回る耐衝撃性を有しています。そのため、防弾シールドといった特殊な用途をはじめ、メガネレンズや光ファイバー、スマートフォンのカメラレンズなど私たちの生活に密着した製品に加工されています。耐熱・耐寒性も強く、マイナス100~130℃の環境下でも使用できるうえ、耐酸性にも優れているため、主に屋外環境の製品に最適です。ポリカーボネートは真空成形でも幅広く使用される樹脂のひとつです。

PVC(ポリ塩化ビニル)

ポリ塩化ビニルはいわゆる塩ビの名で知られ、水道管は「塩ビ管」として広く流通しています。PVCは耐薬品性、難燃性、耐候性、電気的特性、安価など様々な強みのほか、最大の特徴は可塑性です。可塑剤と呼ばれる薬品を添加することによって、樹脂の硬さを自由に変えられる性質を指します。また、光透過率は80%程度で、アクリル同様透明度が高く構造内部を確認したい機械装置のカバーなどにも使用されます。真空成形の素材としても使用可能です。

PET(ポリエチレンテレフタレート)

ポリエチレンテレフタレートの光透過率は87%程度で、アクリル樹脂PMMA同様、高い数値を示します。耐衝撃性はアクリルをさらに4倍ほど上回り、燃焼しても有毒ガスが発生しにくいなど、環境性能の高い素材です。さらに切削加工、成形加工、曲げ加工、接着加工での加工が可能で、真空成形でも広く使用されています。ポリエチレンテレフタレートはその名のとおり、ペットボトルをはじめ機械のカバーやフィルム類、食品用の容器などに成形され、流通しています。

PS(ポリスチレン)

ポリスチレンは無機ガラスに匹敵する透過性を持ち、真空成形などで様々な成形品に加工されています。CDケースや液晶拡散板、包装材料などとして使用され、コストが安いため大量生産されています。一方、アクリル樹脂PMMAのような耐衝撃性は有していないうえ、油や薬品に対して溶けやすいという性質があるため、使用用途には注意が必要です。

真空成形で使用可能なアクリル変性製品

真空成形で使用可能なアクリル変性製品をご紹介します。ここでは住友ベークライト製「カイダック」、積水成型工業製「カイデックス」、同じく積水成型工業製「タフビロン」、セコン製作所製「スペリオールⅡ」の4つのアクリル変性製品の性能や特長をご紹介します。

アクリル変性高衝撃塩化ビニル(塩ビ)板「カイダック」

住友ベークライト製「カイダック」は、優れた耐衝撃性・耐薬品性・成形性を兼ね備えたアクリル変性高衝撃塩化ビニル板です。カイダックはシート成形の特長を活かすことができる成形材料品で、 極めて成形性が良く(成形倍率6倍)、複雑な深絞り成形曲面形状の意匠性向上も可能です。 小ロット、多品種による射出成形品からのコスト低減も実現します。カイダックは「大型成形品にも対応が可能」「射出成型に匹敵する型再現性(圧空成形)」「多品種・小ロット生産が可能」「成形後の表面処理が不要」など様々な機能を発揮します。

アクリル変性高衝撃プレート「カイデックス」

積水成型工業製「カイデックス」は深絞り成形が容易なアクリル変性高衝撃プレートです。具体的には成形倍率で6倍の成形が可能で真空成形、圧空成形に最適です。また、177℃~199℃の温度範囲で深絞り成形が容易で、0℃のアイゾット衝撃値が20KJ/平米と高く、低温での使用も可能です。さらに高耐衝撃性によりNC加工、プレス打ち抜きによるトリミングで割れの発生が無く、プレス成形、機械加工、鋸切断、はさみ切り、穿孔、打ち抜きなどの加工が容易となるなど、高水準を誇る抜群の加工性を有します。

アクリル変性高衝撃プレート「タフビロン」

積水成型工業製「タフビロン」は様々な機能特性と優れた熱成形性をあわせもつ、ハイスペックなアクリル変性高衝撃プレートです。真空・圧空成形をはじめ、深絞り成形にも対応します。また、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性にも優れており、車両、医療機器、各種ハウジング内装部材、産業資材など、様々な分野で豊富な実績があります。深絞り成形性が高く、熱成形時の引っ張りに強く伸びが大きく、型再現性も良好で真空・圧空成形用素材に最適です。170℃〜190℃の温度範囲で容易に深絞りができます。

多層プラスチックシート「スペリオールⅡ」

セコン製作所製「スペリオールⅡ」は従来に無い深みのある高級感があり、真空成形の板使いです。表層がアクリルであるため、屋外使用も可能となっています。住設や水周り、エクステリア、什器など豊富な用途を持つ高機能多層プラスチックシートです。

真空成形以外でアクリル樹脂を使用するプラスチック成型工法

真空成形以外でもアクリル樹脂を使用するプラスチック成型工法はいくつかあります。ここではブロー成形と射出成形を活用したアクリル樹脂の成形について解説します。

ブロー成形

ブロー成形は、熱可塑性樹脂の内側から空気を吹き込み、膨らませて成形することから、「吹込み成形」や「中空成形」とも呼ばれます。たとえば、透明度が求められる半球ドームの形状を作る場合には、アクリル樹脂などが使用されます。この場合、アクリル樹脂を加熱軟化させ内部に空気を送り込み、風船のように膨らませることによって成形するフリーブロー成形が有効です。ブロー成形は表面の平滑性に優れ、型との接触部分がないため打痕が無いなどのメリットがあります。透明性を確保したい場合はアクリル樹脂のほかにポリカーボネートなども使用されます。

射出成形

射出成形でアクリル樹脂を使用する場合、アクリルのペレット原料をシリンダー内で加熱溶融し、圧力で金型に射出注入して冷却固化させます。射出成形は真空成形に比べ、複雑な形状の成形が可能です。射出成形と押出し成形は加熱し溶融させるところまでは同じですが、押出し成形の場合、溶融した材料をスクリューの回転によってシリンダ前部のダイスを通して押し出します。そのうえで冷却すると同一形状の断面を持つ製品を連続的に成形できます。

射出成形について
射出成形について

プラスチック製品を製造する最も一般的な工法で、目的の形状の製品を作り出します。

アクリル樹脂を使用した真空成形は三光ライト工業にお任せください

三光ライト工業は真空成形によるアクリル樹脂加工で豊富な実績がありますので、何でもお気軽にお問い合わせください。弊社は高精度の真空成形技術を駆使し、お客様のご期待を上回るプラスチック加工品を製作し、コストダウンに貢献します。弊社は真空成形はもとより射出成形や2色成形、LIM成形にも対応可能です。弊社は金型製作(真空成形金型は除く)から試作、量産に至るまで自社工場で一貫対応しますので納品まで短納期かつ低価格を実現します。厚肉、薄肉問わず何でもご相談ください。弊社の製品は極めて多岐に渡りますが、各種工業用部品パーツトレイなどでも豊富な実績があります。製品の軽量化といったご要望にも柔軟に対応させて頂きます。弊社は材料の知見も豊富で、アクリル樹脂PMMAはもとより、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体)やABS(アクリロニトリル 、ブタジエン 、スチレン 共重合合成樹脂)、PP(ポリプロピレン)なども豊富な取り扱いがあります。全自動機、測定器、レーザー溶接機を含む金型製作機など弊社の充実した設備群は弊社のホームページまたは会社案内をぜひご覧ください。皆様のご連絡をお待ちしています。

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