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真空成形のメリットについて

真空成形 メリット

真空成形のメリットについて解説します。ここでは項目別で真空(圧空)成形のメリットとあわせてデメリットもご案内します。また、真空成形の以外の工法として射出成形、ブロー(中空)成形、プレス金型加工をご紹介し、それぞれのメリットを解説します。なお、真空成形と同義で用いられる工法として圧空成形があります。
圧空成形は型に接する面を製品表面にすることで、射出成形と同等のシャープな表面形状の成形が可能で、アンダーカットやリエントラント形状の成形にも対応します。真空成形が真空吸引力、つまりマイナスの空気圧を使うのに対し、圧空成形は、圧縮空気=プラスの空気圧を樹脂に加えて成形します。圧空成形と真空成形は厳密には異なる技術ですが、いずれも圧縮空気による真空状態を応用した技術であるため、ここでは圧空成形も広義の真空成形と位置づけて解説します。

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項目別で見る真空(圧空)成形のメリット

項目別で見る真空(圧空)成形のメリット

項目別で真空(圧空)成形のメリットを解説します。ここでは金型(凸凹)、木型、小ロット・多品種少量生産、試作コスト、大量生産(量産)、厚肉・薄肉、熱可塑性樹脂、大型サイズ、デザイン変更、材料シートのそれぞれの観点から、真空成形のメリットをご案内します。

凸凹いずれかの金型で成形可能

真空成形は凸型と凹型の両方を必要とする射出成形と異なり、凸型または凹型いずれかの金型で成型可能です。そのため射出成形と比べて型費用が抑えられ、型の製作期間も短くて済むメリットがあります。ここでは凹凸それぞれのメリットを詳しくご案内します。なお、型の適温は材料によって大きく異なりますが、その対策のひとつとして型に接していない側から空気や水を吹き付けて冷却する「直接型」があります。直接型は、冷却水を通すのに型に穴を開け水路を設けて冷却する方法と型の外面にウォータージャケット(冷却装置)を取り付けて冷却する方法があります。

凸型

凸型(雄型とも)はドレープフォーミングと呼ばれ、真空成形で作りたい形状が突き出た形となっています。凸型成形は、製品の形状に突き出た金型に合わせて加熱した材料を吸引するもので、金型があたる面、多くの場合、内側に当たる面の精度が高まるメリットがあります。そのため、製品を美しくきっちりと格納、収納できるのもメリットです。

凹型

凹型(雌型とも)はいわゆるストレートフォーミングと呼ばれ、真空成形で作りたい形状が凹んだ形となっています。凹型成形は、製品の形状にへこんだ金型に合わせて加熱した材料を吸引するものです。凹型成型は、成形品の外側寸法の正確性を高められるメリットがあります。深さがある製品ではアシストプラグを使うことも可能です。なお、凹型により製作された真空成形品は、冷却後に縮むと凸型のように型を締め付けることが無く、抜き勾配が少なくても離型しやすくなります。そのため、抜き勾配を減らしたい際は凹型が適しています。また、抜き勾配が大きい方が偏肉は少なくなります。

木型の使用が可能

真空成形は木型(人工木型)を含む簡易型での成形が可能ですので、コストを抑えて試作品を製作できるのがメリットです。また、試作で使用した木型は、マスター型として量産時にも使用可能です。試作段階では木型、量産では樹脂型または金型を用いるといった選択もあります。ただし樹脂型は温度調整が難しく、反ってしまうことがあるので要注意です。透明材料を使った場合、曇りが発生しやすくなるため、透明度にこだわる製品には向いていません。また、樹脂型は熱伝導率が高くないため、冷却に時間を要するのが難点です。なお、三光ライト工業は金型のみを使用しており、木型、樹脂型は製作していませんのでご了承ください。

小ロット、多品種少量生産に対応

真空成形は数十個ほどの小ロットや数百個程度の中ロット生産に適しています。試作や継続製品、特殊部品などは1個からの成形も可能といったメリットがあります。多品種少量生産にも適しています。ただし成形品によっては小ロットや多品種少量生産では高コストになりますので、三光ライト工業を含む専門メーカーにおたずねください。

試作コストが安価

真空成形は型費用が比較的安価で、木型の使用も可能なことなどから試作コストが安いといったメリットがあります。前述のとおり、試作段階で木型を使用し、量産では樹脂型または金型を用いることで全体の費用を抑えることも可能です。

大量生産(量産)に対応

真空成形は大量生産(量産)に対応可能な成型工法です。なお、真空成形には単発成形と連続成形の2種類がありますが、大量生産(量産)に向いているのは連続成形です。連続成形はロール状に巻いてあるシートを使用して連続で成形します。材料がロール状であるため、0.2~1㎜の薄いものを成形します。トリミングもトムソン型などで打ち抜くので生産性が高く、低コストで成形できるメリットがあります。ブリスターパックやトレーなどは主に連続成形で製造されており、包装や搬送など幅広い用途で使用されています。

厚肉・薄肉製品に対応

真空成形は厚肉や薄肉製品に対応できるメリットがあります。厚い製品の場合は、連続成形ではなく単発成形が適しています。単発成形は、ロールに出来ない厚みのプラスチックシートを成形する加工方法で、プラスチックシートを成形型よりも一回り大きいサイズでカットしたうえ、作業者が成形機に1ショットずつ毎回セットして成形します。連続成形と比較した場合、大面積で肉厚がある製品、多品種少量生産に向いています。なお、薄肉の場合は強度を確保するためのノウハウが必要です。

幅広い熱可塑性樹脂に対応

真空成形は様々な熱可塑性樹脂を使用可能です。一例を挙げると、PMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)、AES(アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン)、PC(ポリカーボネート)、PVC(ポリ塩化ビニール、塩ビ)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリ・スチレン、ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などです。真空成形のみならずプラスチック成形では耐久性や対候性、耐薬品性、耐衝撃性、接着性など材料の特性、材質を十分に理解したうえで適切な素材を選定し使用することが何より重要です。なお、三光ライト工業は真空成形では主にPET、PP、PSを使用しています。

大型サイズも製造可能

真空成形は大型サイズ、広面積の製品を製造できるメリットがあります。ただし、製品が大きくなるほど、使用する成形型や板材も大きなサイズになります。真空成形は型に材料が密着して形になるため、成形型と板材の間にゴミが入り込むと製品が膨れたり、へこんだりする場合があり、外観不良となります。製品が大きくなるほど面積が広くなるためゴミが隙間に入りこむリスクが高まります。また、材料自体に異物が混入している場合もあるため成形前に材料不良がないかなど細心の注意が必要です。

部分的なデザイン変更が容易

真空成形は射出成形と比べて部分的なデザイン変更が容易といったメリットがあります。また、穴位置や切り欠きの変更などは型改造が不要なのも真空成形ならではのメリットです。

幅広い材料シートに対応

真空成形は前述のとおり、軟質や硬質を問わずさまざまな熱可塑性樹脂シートを成形可能です。ほかにも発泡シートや不織布など異なる種類の材料を複合した素材を成形することができるメリットがあります。

真空成形の材料について
真空成形の材料について

真空成形(圧空成形含む)の主な材料である熱可塑性樹脂のうち、PMMA、AES、PVC、PSのそれぞれの特性や、真空成形と射出成形材料の違いについて

真空成形のデメリット

前述のとおり、真空成形には様々なメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。ここでは真空成形のデメリットとしてトリミングやサイクル・タイム(サイクルタイム)、寸法精度・形状のそれぞれの観点からデメリットを解説します。

トリミングが必要

真空成形は射出成形では不要なトリミングと呼ばれる後工程が生じます。トリミングは成形品の余分な外周部分を切断したり、取り除く作業です。トリミングを人手で行えばその分、コストアップの要因となります。また、トリミング後は、切断面が鋭利になっているため、触れるとケガをする恐れがあります。そのため手の触れる部分の面取りも行う必要があります。こうした仕上げ加工は、出荷する前の最終工程となります。ただし、トリミング仕上げ機能が備わった全自動真空成形機を使用すれば、工数やコストの削減を図ることができます。

サイクル・タイムが長い

真空成形はサイクル・タイム(サイクルタイム)が射出成形と比べて長くなる傾向があり、デメリットのひとつといえます。ただしサイクルタイムが長くなるのは、単発成形の場合で、連続成形であればサイクルタイムの短縮を図ることができます。単発成形はサイクルタイムが長くなりますが、多品種少量生産に向いているほか、成形品の表面が型に当たらないため、柔らかなラインを作りやすいといったメリットがあります。また、複合多層材料や印刷シート、加飾シートを使うことで、様々な表面状態や加飾といった表現が可能となります。

寸法精度、形状にバラツキ

真空成形は射出成形と比べて寸法精度や形状の安定性にばらつきが出やすいといったデメリットがあります。真空成形ではシートを型に当てて引き伸ばすため、どうしても部分的に肉厚が薄くなったり、型に当たらない箇所の寸法がズレるといった不具合が起きやすくなります。 プラグアシスト真空成形やエアスリップ真空成形などの成形方法にすることで、このデメリットを緩和することは可能ですが、製品の要求レベルが高い場合は、真空成形よりも射出成形が適しています。

真空成形以外の工法のメリット

真空成形以外の工法のメリットをご案内します。ここでは射出成形、ブロー(中空)成形、プレス金型加工のそれぞれのメリットを解説します。なお、三光ライト工業はブロー成形とプレス金型加工には対応していません。

射出成形

射出成形は前述のとおり、真空成形と比べると型費用を含む材料費が高額で納期、リードタイムも長くなる傾向がありますが、真空成形では実現できない寸法精度を均一に確保できるメリットがあります。また、複雑形状やシャープな形状にも対応できるのも強みです。三光ライト工業は真空成形はもとより、射出成形でも豊富な実績がありますのでお気軽にご連絡ください。

ブロー(中空)成形

ブロー成形は中ロット生産に向いている成型方法となっており、30~300個程度の製造にメリットを発揮する成形工法です。古くから伝わるグラスや瓶などガラス容器の製造方法をベースにしており、空気を吹き込んで成形します。ブロー(中空)成形にはいくつかの種類があり、押し出しブロー成形は、加熱・可塑化させた樹脂を押し出し、円筒状のパリソン(ホットパリソンとも)を成形し、それを冷却・固定化させずにダイレクトに金型内にいれ、空気を吹き込んで成形する方法です。ブロー成形は主にPETボトル(ペットボトル)やポリタンク、自動車部品のウォッシャータンク、吸気ダクトなど、中空の容器状製品をフォーミングするのに用いられています。なお、三光ライト工業ではブロー成形(中空成形)は非対応となっておりますのでご了承ください。

プレス金型加工

プレス金型加工は上型と下型のプレス金型で板状の素材を挟み、上方向から圧力をかけます。圧力をかけることで、素材を切る、曲げる、伸ばす、圧縮するといった幅広い加工ができるメリットがあります。プレス金型加工は高精度で大量生産も可能です。加えて安定した品質で、同じ形状の製品を大量に作れるため、自動車や家電製品などさまざまな製品の部品製造に採用されています。

射出成形について
射出成形について

プラスチック製品を製造する最も一般的な工法で、目的の形状の製品を作り出します。

真空成形は三光ライト工業にお任せください

真空成形は三光ライト工業にお任せください。弊社は加熱・軟化、密着・成形、冷却・固化・離型、トリミングに至るすべての工程において真空成形のメリットを最大限に発揮し、高品質の製品を低価格、短納期でご提供します。厚物、薄物、大型、小型など大小サイズを問わず対応いたしますのでお申し付けください。弊社は様々な真空成形品をご提供していますが、特に各種工業用トレーなどがご好評頂いています。弊社の専用トレーは運送、運搬、搬送、保管、管理、納品など幅広い用途でご利用頂いています。ほかにも医療機器やアミューズメント機器のカバーなども手がけています。弊社は真空成形はもとより射出成形でも豊富な実績があります。射出成形では成形品のみならず、金型も自社工場で設計、製作しています。金型から成形品の完成に至るまで一貫製作することで、デザイン変更のご要望などに最大限柔軟に対応いたします。弊社は中原工場に金型製作部門を構えており、マシニングセンターやNC加工機、細穴加工機、フライス盤、平面研削盤、成形研削盤、レーザー溶接機、精密高速旋盤、直立ボール盤、3次元CAM、3次元CADなど様々な精密設備や工作機械を保有しています。
また弊社は真空成形や射出成形以外の単色成形のみならず、2色成形やシリコーンLIM成形、インサート成形など多様な特殊成形品も全て自社設備で生産しています。加飾については、塗装、印刷、アッセンブリを内製化して同じ工場内で生産しており、高品質でリーズナブルなコストの製品を短納期でご提供できます。なお、切削加工には対応しておりませんのでご了承ください。また、弊社は品質管理システムISO9001を取得済であり、万全の品質管理体制でお客様のご要望にお応えします。ご連絡お待ちしています。

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