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フィルムインサート成形について

フィルムインサート成形

フィルムインサート成形は射出成形の熱と圧力でフィルムと一体化した製品を成形する工法です。フィルムインサート成形は複雑な形状にも活用できるほか加飾化や多色化にも幅広く対応します。また、意匠性やデザイン性に富んだ成形が可能となるなど、さまざまな技術的特長を有します。ここではフィルムインサート成形(IML:Insert Molding Laminate)とはどのような技術であるかを詳しく解説します。

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フィルムインサート成形のメリット

フィルムインサート成形のメリット

フィルムインサート成形は技術的にさまざまなメリットがあります。そのひとつが複雑な形状の成形品にも幅広く対応できる自由度の高さです。ほかにもフィルムインサート成形は加飾化や多色化にも対応するほか、意匠性やデザイン性の向上、リードタイムの短縮、多品種小ロットにもにもつながります。ここではフィルムインサート成形ならではの技術的メリットを詳しく解説します。

形状の自由度

フィルムインサート成形は複雑な三次元形状や3D曲面などの形状にもデザインを忠実に再現することが可能で、形状を限定しない自由度の高さがメリットです。自由度の高さを生かしてさまざまな製品に採用されており、一例をあげると、気密性や水密性が求められる家電のコントロールパネルなどにも多用されています。フィルムインサート成形は家電以外にも自動車外装部品や通信端末機器などにもひんぱんに用いられ、日常生活のあらゆる場面で活用されています。

加飾化に対応

フィルムインサート成形は加飾の位置精度が高いのも特長で印刷フィルムを変えることにより、光沢を出すことも可能です。高級感が求められる製品などにも最適な工法で、高価な家電製品のコントロールパネル部分などに使われることが多くあります。なお、コントロールパネルでは表面にシートフィルムを掛けますが、こうした形状でよく発生してしまう樹脂と樹脂の接合部跡、いわゆるウエルドの隠し処理も必要です。一方、フィルムインサート成形は艶消し仕上げで落ち着いた印象を出すこともできます。また、パターンや絵柄などの表面加飾を自由にできるメリットもあります。位置精度や印刷合わせの位置精度が高いため、高精度な加飾成形品の量産が可能です。フィルムインサート成形はインモールド成形よりも深絞りの製品の加飾にも向いています。

多色化が可能

フィルムインサート成形はその技術的特徴により、フィルムの色に合わせて成形できるため多色化が実現します。塗装では表現できない様々な図柄や多色化への対応が可能であるため、色どり豊かな多色成形品を製造することも可能です。三光ライト工業は2色成形を得意としていますが、フィルムインサート成形による多色成形にも対応しますのでぜひご相談ください。

意匠性、デザイン性の向上

フィルムインサート成形は、まずデザインや柄などの意匠が印刷されたフィルムを真空成形や圧空成形で製品形状に合わせて成形(プレフォーミング)します。その後、射出成形の金型内にインサートする成形法であるため、成形品の意匠性やデザイン性の向上を高めることができます。フィルムインサート成形品は、意匠性やデザイン性が求められる製品に最適で、必然的に内臓部分としてよりも筐体側に使用される工法です。

リードタイムの短縮

フィルムインサート成形は、射出金型に樹脂フィルムをインサートすることで、成形と同時に加飾できる工法であるため、成形品の塗装、印刷といった二次加工の工数を削減することができます。結果としてリードタイムの短縮やコストダウンを実現します。2つの工程を同時に行い工程や工数を削減できるフィルムインサート成形は、作業の大幅な効率化にもつながります。

多品種小ロットに対応

フィルムインサート成形は多品種小ロット製造にも適しています。前述のとおりリードタイムが短縮されますので、コストがかさみやすい多品種小ロット製造においてもコスト軽減効果があります。多品種小ロット製造以外にもフィルムインサート成形は塗装やメッキ処理などに比べ、有機溶剤の使用が限定されるため環境への負荷が少ない工法といえます。

その他のメリット

フィルムインサート成形では製品表面側にフィルムを設定する場合と裏面側に設定する場合とで異なるメリットがあります。製品表面側にフィルムを設定すると、製品裏面の形状自由度が高まるほか、エンボスのスイッチ形状を作ることができるといったメリットがあります。一方、製品裏面側にフィルムを設定すると、透明樹脂を使用した場合、奥行き感のあるアイテムを製作することができます。また、導電性フィルム(電極フィルム)を活用することで電気機能を持ったアイテムを製作することが可能となります。

フィルムインサート成形で使用する射出成形(インジェクション)金型の使用例

金型を自社生産するメリット

フィルムインサート成形は金型に加飾フィルムをインサートすることで成形と同時に加飾を行う方法であり、使用する金型は射出成形(インジェクション)金型となります。したがってフィルムインサート成形の金型とは射出成形金型を指し、フィルムインサート成形用の専用金型を使用するわけではありません。フィルムインサート成形ではまず製品形状の金型にフィルムを挿入し、ヒーターでフィルムを加熱して軟化させます。そのうえで真空や圧空の作用で金型に押し当て、軟化させたフィルムを製品形状に成形します。そして製品形状に成形した際に発生した不要な部分をトリミングした後、トリミングを行ったフィルムを成形金型に挿入します。続いて成形金型を閉じ、樹脂を充填し冷却した後、離型して成形品を取り出します。

射出成形金型
射出成形金型

モールド(mold)と呼ばれる密閉型で加熱して溶けた樹脂を内部に注入し冷却固化することにより目的の形状を作る空洞を内部にもった金属製の型です。

フィルムインサート成形で使用する主な樹脂シート

フィルムインサート成形で使用する樹脂シートは様々ですが、主な樹脂シートとしてはPC(ポリカーボネート)やPMMA(アクリル樹脂)などがあります。ここではPCやPMMAの素材的特徴などについてご紹介します。フィルムインサート成形ではPC、PMMA以外の樹脂シートの使用が可能ですので、弊社までお気軽にお問い合わせください。

PC(ポリカーボネート)

PC(ポリカーボネート)は熱可塑性プラスチックの一種で透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸法安定性などにおいて、高い物性を示します。フィルムインサート成形では印刷柄の入ったポリカーボネートのフィルムが多用されます。この樹脂フィルムを真空成形でフォーミングし、外形を抜き、一体成形します。従来のプレスフォーミングに比べ、複雑な三次元形状に対応でき、デザインの自由度も高いフィルムインサート成形は様々な製品に応用されています。

PMMA(アクリル樹脂)

PMMA(アクリル樹脂)もまたPC(ポリカーボネート)と同様、フィルムインサート成形の樹脂シートとして広く使用されています。PMMAの外観自然色は透明で4大透明樹脂に数えられるなど高い透過性を有します。そのためPMMAはフィルムインサート成形においても透明性が求められる製品に多用される傾向があります。ほかにもPMMAは耐候性、熱成形やラミネート加工性、紫外線を遮断する機能を備えており、建材、塗装代替、高輝度反射材、光学など幅広い用途があります。

フィルムインサート成形とフィルムインモールド成形工法の違い

フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型

フィルムインサート成形とよく似た工法でフィルムインモールド成形があります。フィルムインモールド成形は、射出成形の熱と圧力により図柄を製品表面に転写する工法で、自動車や家電部品の加飾などに多用されています。あらかじめ図柄が印刷されたフィルム、いわゆる転写箔を金型内に供給して挟み込み、フィルムを加熱してから金型表面に密着させたあと樹脂を流し込むことで転写されます。フィルムインサート成形とは異なり、フィルムのインク部分のみが転写されるのが特徴です。また、フィルムを金型内へ挟み込む必要があるため、成形機のほかに付帯設備を使用する場合があります。

フィルムインサート成形は三光ライト工業にお任せください

三光ライト工業は高品質のフィルムインサート成形品を低価格でご提供いたします。弊社は成形品だけでなく、金型も自社工場で製造しており、試作から最終成形品に至るまで国内自社工場で一貫製作しています。金型から内製することで高品質かつ低コストなフィルムインサート成形が可能となります。プラスチック成形品であれば薄肉、厚肉問わずあらゆる製品に対応いたします。弊社はフィルムインサート成形だけでなく、2色成形や射出成形、真空成形、ブロー成形、押出成形などを活用して通信端末の筐体や車載品など様々な製品を供給しています。成形以外にも塗装や印刷などの二次加工をはじめ簡単なアッセンブリといった各種組み立て加工にも対応しますので組立てをご希望の際はお申し付けください。弊社は硬質、軟質、発泡体、複合多層材料、薄板から厚板までさまざまな素材をお望みの形に成形加工し、プラスチック成形品のことであればどのようなことでもお役に立ちます。大量生産だけでなく多品種少量生産にも柔軟にお応えします。ご連絡お待ちしています。

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