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真空成形の試作について

真空成形 試作

三光ライト工業は高度な真空成形技術でお客様のご要望にきめ細かくお応えします。ここでは真空成形の試作について幅広く解説します。具体的には真空成形の試作で使用される型を紹介するとともに、真空成形の試作で使用する熱可塑性樹脂や材料、化学メーカーによる製品シートなどもご案内するとともに、真空成形の主な試作品もご紹介します。

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真空成形の試作で使用される型

プラスチック真空成形の技術的特長

真空成形のメリットとしては、木型や樹脂型など、金属以外の型を使える点があげられます。そのため安価に試作が可能です。ここでは金型、木型、樹脂型それぞれの特長を解説します。なお、三光ライト工業は木型、樹脂型は製造していませんのであらかじめご了承ください。

金型

試作用の金型は木型や樹脂型を大きく上回る耐用強度があり、数万ショット以上の使用が可能です。強度や耐久性のほかにも表面状態が良い上、型の温度調整が可能であるためソリの少ない成形品を製作できるのもメリットです。その分、木型や樹脂型と比べ価格は高く、一定のコストが生じます。

木型

試作用の木型はその名のとおり、木材を使った型の事です。木型の特長としては材料費や加工費が安く抑えられるのに加え、製作日数が短いといったメリットがあります。一方、表面状態が良いとは言えず、ヒビ割れや継ぎ目の開きが出てしまうといったデメリットがあります。また、成形品に木目が転写されたり、熱伝導率が悪く冷却までに時間を要するといった難点があります。耐用は数ショットですので限定的です。

樹脂型

試作用の樹脂型(人工木材含む)も木型同様に材料費や加工費が安い上、製作日数も短いのが特長です。ヒビ割れは発生しにくいですが、膨張するため、寸法安定性が低下する場合があります。また、熱伝導率が悪いため冷却に時間がかかることがあります。耐用強度は数10ショットくらいまでです。また、量産用の樹脂型は試作木型をマスター型に使用できるほか、製作日数が短いのがメリットです。ただし、型の温度調整ができないため、多少のソリが発生するほか、シャープな形状には不向きとなります。やはり熱伝導率が悪いため冷却に時間がかかります。量産型ですので数万ショットは使用可能です。

真空成形の試作で使用する熱可塑性樹脂・材料

真空(圧空)成形の試作で使用する熱可塑性樹脂・材料をご紹介します。ここではPC(ポリカーボネート)、ABS(アクリロニトリル 、ブタジエン 、スチレン 共重合合成樹脂の総称)、PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体)、PP(ポリプロピレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)のそれぞれの特性などを解説します。

PC(ポリカーボネート)

ポリカーボネートは耐衝撃性と高い透明性を持ち、かつ寸法安定性を備えたエンジニアリングプラスチックです。薄く軽くて丈夫なほか、機械的強度や耐熱性も高いことから自動車部品や機械部品、電気・電子部品などの工業用途や印刷立体成形品にも使用されています。ただし、ポリカーボネートは他のプラスチックに比べて軟化し始めるまでの温度が高く、かつ成形可能な温度域が小さいため、管理項目を間違えると様々な不具合が発生します。特に板厚が10mmといった厚手のポリカーボネートは成形の難易度が比較的高い材質であり、試作には様々なノウハウが必要です。

ABS(アクリロニトリル 、ブタジエン 、スチレン 共重合合成樹脂)

ABS樹脂は、耐衝撃性に優れ、比重が他の材質よりも軽量です。また、塗装やメッキなどの表面加飾が施しやすい材質であることから真空成形の試作に度々使用されます。ほかにもABSは切削加工性が優れていて寸法が出しやすいのに加え、コストも安く接着も可能です。これらのメリットを生かして、ABSは真空成形の試作だけでなく、様々な成形品材料として幅広く使用されています。

PVC(塩化ビニル樹脂、塩ビ)

PVCは強度、電気絶縁性、難燃性、耐候性、耐薬品性に優れるほか、無色透明で着色が自由かつ接着可能といった特長があります。そして安価であるため、水道管をはじめ各種建材や機械カバー、メーターなど、屋外で使用される部品で幅広く使用されています。曲げを含む加工性にも優れることから真空成形の試作にも使用されます。

AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体)

AES樹脂は前述のABSと非常によく似た素材ですが、ABSと異なるのは耐候性に優れた点です。そのため、ABSを使用したくても耐候性がネックになる場合などにAESは重宝されています。また成形性にも優れているため、真空成形だけでなく射出成形、押出成形、ブロー成形などあらゆる樹脂成形の試作で採用されています。

PP(ポリプロピレン)

PPはプロピレンによる重合体で、熱可塑性の樹脂です。 加工性がよく、安価なことからPE(ポリエチレン)と並びもっとも多く生産されているプラスチック原材料として知られます。PPは繊維、買い物袋、医療、建築素材など日常生活のさまざまな分野に使われており、AESと同様、真空成形はもとより射出成形、押出成形、ブロー成形の試作にも適します。

PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)

PMMAはアクリルとして有名な材質ですが、透明性、光沢がきわめて高く、各種レンズや透明カバーなどに幅広く使用されています。 また、加工性、成形性も高いのが特長で、耐候性にも優れることから直射日光を受けても劣化しにくい素材です。ただし、PMMAは真空成形時に割れが発生するケースがあり、試作の段階から割れの発生を抑えるノウハウが不可欠となります。

真空成形の材料について
真空成形の材料について

真空成形(圧空成形含む)の主な材料である熱可塑性樹脂のうち、PMMA、AES、PVC、PSのそれぞれの特性や、真空成形と射出成形材料の違いについて

真空成形以外の工法での試作

真空(圧空)成形以外の工法でも試作は極めて重要な工程に当たります。ここでは真空成形以外の工法である射出成形、ブロー成形、押出成形の試作を解説します。

射出成形の試作

射出成形はプラスチック樹脂を加熱溶融し、金型に射出することで成形品を形作る成形法で、インサート成形やインジェクション成形とも呼ばれます。成形品の種類は幅広く、自動車関連(外装品、エンジンルーム、運転席など)、大型家電、小型家電、事務機器、情報・通信機器、光学機器・レンズ、住宅・建築、容器・包装、スポーツ・レジャー、文房具・玩具、医療、航空機、舟艇・船舶など多岐に渡ります。なお、三光ライト工業は、射出成形の場合、成形品のみならず金型から自社で製造し、試作から量産まで社内工場で一貫対応いたします。

ブロー成形の試作

ブロー成形は日本に古くから伝わるガラス瓶の製造工程を応用した技術です。ABSなどの熱可塑性樹脂の内側から空気を吹き込み、膨らませて成形することから、「吹込み成形」や「中空成形」とも呼ばれます。ブロー成形の試作は、金型が必要となる射出成形と異なり、簡易型で対応できるため、コストダウンにつながります。また、部品の後付けも可能です。ペットボトルや液体化粧品、液体洗剤などの容器をはじめ自動車のガソリンタンクや排気マニホールドといった空洞の樹脂成形品は、度々ブロー成形によって製造されます。

押出成形の試作

押出成形は加熱溶融させたプラスチック樹脂を文字通り、トコロテンのように押し出して、連続的に成形する方法です。射出成形や真空成形と異なり、金型内部では樹脂を冷却・固化させないのが特長で、 押出し口である「ダイ(金型)」に溶融樹脂を通過させ、一定の断面形状に成形します。 ダイから押し出されたあとに冷却・固化させるという流れになります。押出成形は寸法精度を高めるのが難しいうえ、外観不良が出る場合があるため、その試作には金型も含めてノウハウが求められます。

真空成形試作で使用される主な製品シート

真空成形の試作で使用される主な製品シートをいくつかご案内します。ここでは「カイダック」、「カイデックス」、「タフブロン」、「ラミスタック」、「スペリオール」のそれぞれの特長をご紹介します。

カイダック

住友ベークライト製「カイダック」は優れた耐衝撃性・耐薬品性・成形性を兼ね備えたアクリル変性高衝撃塩化ビニル板です。カイダックはシート成形の特長を活かすことができる成形材料品で、極めて成形性が良く(成形倍率6倍)、複雑な深絞り成形曲面形状の意匠性向上も可能です。 小ロット、多品種による射出成形品からのコスト低減にも貢献します。

カイデックス

積水成型工業製「カイデックス」は航空機、車輌、医療機器、各種ハウジングなど、あらゆる分野で利用可能な高機能製品です。難燃、低発煙など特性を活かし、用途に対応したグレードをラインアップしており、独自特性である、他にない抜群の成形性を保持しています。

タフビロン

積水成型工業製「タフビロン」は様々な機能特性と優れた熱成形性をあわせもつ、ハイスペックなアクリル変性高衝撃プレートです。真空・圧空成形をはじめ、深絞り成形にも対応します。また難燃性、耐衝撃性、耐薬品性にも優れており、車両、医療機器、各種ハウジング内装部材、産業資材など、様々な分野で使用されています。用途に応じた各種グレードもラインアップしています。

ラミスタック Sparkle

レゾナック製高輝度めっき調シート「ラミスタック Sparkle」は「塗装・めっきと同様の仕上げ可能」「射出成形品との組み合わせで表面材に使用」「熱成形可能な多層シート」「溶剤レスで有害物質を排出しない」「形状に制限されない金属感を得られる」など多くの機能を兼ね備え、コストパフォーマンスにも優れた製品です。

スペリオール

セコン製作所製「スペリオール」はABS単体には無い高輝度感に加え、真空成形による板使いが可能で表層がアクリルであるため屋外使用にも対応します。住設やカー用品、屋内外ゲーム機などにも幅広く使用されています。

真空成形の主な試作品

真空(圧空)成形の主な試作品をご紹介します。ここではプラスチックトレーと自動車部品、医療機器を挙げますが、真空成形による試作品は、これらの製品以外にも多岐に渡りますので、真空成形の試作をご希望の方は、三光ライト工業を含む専門メーカーにお問い合わせください。

プラスチックトレー

ラスチックトレー

プラスチックトレイは真空成形によって連日大量生産されています。したがってプラスチックトレイの試作もひんぱんに行われています。プラスチックトレイは保管、保護、管理、運搬、搬送、出荷など様々な用途で幅広く使用されています。

自動車部品

自動車部品トレー

自動車部品の多くも真空成形で製造されています。メーターなどがあるインパネ部分やインナーパーツ、フロントバンパー、ヘッドライト部分、スポイラーなどが代表的です。他にもゴルフ場で使用されるゴルフカートのルーフ部分やダッシュボードなども真空成形によるものが多くを占めます。自動車部品は厳しい精度と品質が要求されますので、その分、試作段階から高い精度が求められます。

医療機器

医療機器用トレー

医療機器では各種カバーや検体用トレー、人体モデルなどが真空成形によって製造されています。医療機器も他の製品同様、動作の信頼性が求められるため、試作から品質と精度が重視されます。

真空成形の試作は三光ライト工業にお任せください

三光ライト工業は真空成形の試作も承りますのでお申し付けください。弊社は真空成形以外にも射出成形や2色成形、LIM成型などでも豊富な実績があります。弊社は金型(真空成形金型を除く)から自社工場で一貫生産していますので、低価格と短納期でお客様のご要望にお応えします。多品種少量生産、小ロット、製品の軽量化などのご要望もぜひお聞かせください。弊社は充実の設備群を有しています。真空成形ではトリミング機能付きの高速真空成形機を導入しています。成形機とトリミング装置を同じフレーム上に設置し、全自動でトリミングが可能で、設定量を搬出可能な最新の真空成型機です。また、高精度の3次元CADなどにより、お客様のニーズにきめ細かく対応します。弊社の設備群はHPの会社案内をぜひご覧ください。ご連絡お待ちしています。

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