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射出成形で使用するアクリルについて

射出成形で使用するアクリルについて解説します。ここではアクリル樹脂の中でもPMMA(ポリメタクリル酸メチル、ポリメチルメタアクリレート)にスポットを当て、その特性・物性(耐衝撃性、透明性、加工性、耐候性、耐熱性)をご紹介します。また、射出成形でアクリル樹脂を使用する際のポイントとして金型の取扱いと材料の予備乾燥について解説します。そのほか、アクリルを使用した射出成形製品・部品例としてテールランプカバーと光学レンズをご紹介するとともに射出成形でアクリルの代替となる熱可塑性樹脂・エンジニアプラスチックとしてポリブチレンテレフタレート(PBT、pbt)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS、abs)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のそれぞれの物性をご案内します。

射出成形で使用するアクリル樹脂(PMMA:ポリメタクリル酸メチル)の特性・物性

アクリル樹脂の種類は複数あり、ポリメタクリル酸メチル(PMMA、pmms)、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミドがありますが、射出成形で一般的に使用するのはポリメタクリル酸メチル(PMMA、pmma)となります。ここではPMMA(pmma)が持つ耐衝撃性、透明性、加工性、耐候性、耐熱性についてそれぞれ解説します。

耐衝撃性

PMMAは無機ガラスの約10~16倍もの耐衝撃性を誇ります。なおかつ透明性にも優れることから射出成形でテールランプやメーターカバーなどの自動車部品に成形されています。ほかにもPMMAは光学部品(レンズ、導光板)や建材(窓、水槽)、看板、照明器具、雑貨、医療用品(コンタクトレンズ、眼内レンズ)など、多岐にわたる用途があります。プラスチック樹脂の中で最高レベルの耐衝撃性を誇るポリカーボネートと比べると割れやすい素材ですが、それでもPMMAの耐衝撃性は多くの樹脂を上回ります。

透明性

PMMAは極めて透明性の高い樹脂で、透明度光線透過率は90%以上とガラスを上回ります。高い透明性を生かしてガラスの代替として船舶や航空機、自動車の風防、計器類、時計、ライトのカバー、水槽、コップ、フォトスタンド、光学部品としてメガネ、カメラ、プロジェクターなどのレンズや照明部品、光ファイバーなどの材料になっています。これらの多くは射出成形で製造されています。

加工性

PMMAは射出成形のみならず、圧縮成形や押出成形、真空成形など、さまざまな成形方法に対応します。 また、研磨や切断、穴あけのほか、接着剤による貼り合わせもしやすいなど、加工の自由度が高い素材です。さらに、一般的なガラスの比重が2.5であるのに対し、アクリル樹脂の比重は1.19と半分以下であり、加工の際の扱いやすさでも他の樹脂を上回ります。

耐候性

PMMAは太陽光や紫外線からの影響を受けにくく、雨や風、雪などの厳しい気象条件下での使用にも耐えうる優れた耐候性を持っています。そのため、射出成形によって看板や建築材料、自動車のテールランプやパトカーの赤色灯など、幅広い製品に加工されています。

耐熱性

PMMAは熱を加えると軟化する性質を持つ熱可塑性プラスチックであるため、耐熱性は低く連続耐熱温度は約60〜87℃です。また、材料の燃焼持続性を評価する酸素指数も17〜18と低く、比較的燃えやすい部類に属しているので使用上の注意が必要です。また、PMMAは剛性はアルミニウムとほぼ同等ですが、摩擦に弱く、表面に傷がつきやすい素材となります。ほかにもPMMAは強アルカリや有機溶剤が触れると変質するといった特性もあります。

射出成形でアクリル樹脂を使用する際のポイント

射出成形でアクリル樹脂を使用する際のポイントを解説します。ここでは金型の取扱いと材料の予備乾燥の2つに着目し、それぞれの注意点をご紹介します。

金型の取扱い

PMMA樹脂のいちばんの特長は透明性ですが、透明性を最大限に活かすには、金型表面の鏡面仕上げを傷つけないことが重要です。特に生産立上げ時の防錆剤の拭き取りは、製品部を傷つけないようにすることが重要です。誤って傷をつけてしまうと、傷がそのまま成形品に転写されますので細心の注意が求められます。生産立上げ時、防錆剤を落とす手順ですが、まずはウエスにて、製品部以外を拭き取ります。その際、鏡面仕上げされた製品部は触らないことが重要です。最後にコットンなどでパーティングライン部を拭き取ります。

材料の予備乾燥

材料の予備乾燥が不足していると、射出成形品にシルバー(シルバーストリーク)が発生するリスクが高まります。シルバーとは、樹脂の中で発生したガス(空気)が金型内で引き伸ばされ、その筋状になった流動痕が、樹脂の表面に銀色の筋となって現れる現象です。予備乾燥は、適切な乾燥温度と乾燥時間を厳守することが重要で、乾燥温度は80℃~90℃、乾燥時間は4時間~6時間が適切とされています。また、予備乾燥の際、70℃以下で長時間乾燥を行っても、効果が期待できません。反対に100℃以上の高温で乾燥すると、ペレット同士がくっつき固まってしまうので要注意です。ホッパーでの吸湿を防ぐには、箱型乾燥機から運んで投入するよりも、ホッパードライヤーの使用が効果的で、湿気の多い環境では、除湿乾燥機や真空乾燥機など、乾燥能力の高い装置が有効となります。

アクリルを使用した射出成形製品・部品例

アクリルを使用した射出成形製品・部品例をご紹介します。アクリルを使用した射出成形製品は多岐に渡りますが、ここではテールランプカバーと光学レンズをご案内します。

テールランプカバー

前述のとおり、アクリルは耐衝撃性や透明性、対候性に優れるため自動車などのテールランプカバーの材料としてひんぱんに使用されています。製品によっては三次元曲面を持つ化粧品の成型には、高精度な三次元加工と仕上げ加工が施された射出成形用金型が必要です。

その点、三光ライト工業の射出成型用金型は、高精度で高精密かつ耐久性に優れます。テールランプカバー以外にも自動車部品ではヘッドライトカバーやメーターカバーなどもアクリル樹脂が使用されています。

光学レンズ

透明度光線透過率は90%以上と、アクリル樹脂はガラスを上回る透明性を有しています。そのためアクリル樹脂は、光学レンズの材料としても広く使用されています。光学レンズ製品を射出成形で製造する際には、残留応力、再現性、表面形状制御などがポイントとなります。高い残留応力はレンズの光学特性に悪影響を与えるため、この応力を最小限に抑えることがレンズ品質を維持する上でポイントとなります。また、精度と微細なディテールが求められる製品の大量生産では、一貫性が重要で均一な品質を保証するために、再現性が求められます。そのうえでレンズの光学特性を確保するには、表面形状の制御に細心の注意が必要です。

射出成形でアクリルの代替となる熱可塑性樹脂・エンジニアプラスチック

射出成形でアクリルの代替となる熱可塑性樹脂・エンジニアプラスチック

射出成形でアクリルの代替となる熱可塑性樹脂とエンジニアプラスチックをご紹介します。ここではポリブチレンテレフタレート(PBT、pbt)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS、abs)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のそれぞれの物性を解説します。

ポリブチレンテレフタレート(PBT、pbt)

ポリブチレンテレフタレート(PBT、pbt)は電気特性や耐薬品性、成形加工性などに優れたエンジニアプラスチックです。電気電子や自動車、フィルム向けの押出成形など幅広い用途があります。PBTはエンジニアプラスチックの中でも生産量の多い素材で、家電や住宅資材などの各種部品にも使用されています。PBTは結晶性で融点が230℃ほどなので射出成形の場合、シリンダ温度を樹脂温度240~250℃程度に設定する必要があります。また、十分に結晶化させ、本来の性能を発揮させるためには金型温度は40℃以上が求められます。また、結晶性なので保圧を十分にかけることで、ヒケ、ソリといった成形不具合の発生リスクを軽減できます。

ポリカーボネート(PC)

PCは非常に優れた耐衝撃性を持ち、アクリルの約50倍もの強度があります。また、PCはアクリルよりも柔軟性が高く、割れにくいのも強みです。ただし、PCの光透過率は80%台で、90%を超えるアクリルをやや下回ります。また、アクリルは磨けば光沢が出ますが、PCは磨いても光沢は出ません。射出成形でPCを使用する上でいくつか注意点があります。まずは成形前の予備乾燥です。未乾燥のPCは、成形すると前述のシルバーストリークが発生します。また、金型温度は80℃以上に設定する必要があります。金型温度が低いと、流れが悪くなり、ショートショットや流動の先端(フローフロント)に湯じわが発生する原因になるので要注意です。代表的なエンジニアプラスチック素材のPCは耐衝撃性、耐久性、耐熱性、成形性に優れますが、一方で成形加工の際は様々な点に注意が必要となります。

アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS、abs)

ABS樹脂は、アクリル樹脂同様、衝撃に強く加工性やデザイン性が高いといったメリットがあります。一方、アクリルのような耐候性は有しておらず、有機溶剤に弱く燃えやすいのが難点です。ABS樹脂は成形加工がしやすく汎用性の高い樹脂ですが、シルバーストリークやウエルドライン、ショートショット、ガス焼け、離型不良が発生する場合があります。シルバーストリークは高速で充填すると発生リスクが高まります。金型内の構造が複雑でボスやリブを巻き込む時は、特に注意が必要です。ウエルドラインは流動の合流地点で発生リスクが高まります。したがって袋小路のガス逃げ不良にならぬように、射出速度を調整する必要があります。また、ショートショットやガス焼けは数万ショットほど回数を重ねると、ガス逃げ不良で発生します。 日常的にパーティングラインおよびガスベント部を清掃するとともに定期的に金型をオーバーホールする必要があります。また、エジェクターピンやストリッパープレートの摺動不足も打痕や変形の原因になります。 成形時に動きに不具合がないか、異音がないか確認する必要があります。

ポリエチレンテレフタレート(PET)

PET樹脂はアクリル樹脂に比べて透明度はやや劣りますが、柔軟性と耐衝撃性に優れています。衝撃を受けても割れにくく、変形しにくいため、取り扱いやすい素材として広く使用されています。加えて、PETは耐熱性や耐薬品性も高く、食品パッケージや医療用途など、衛生管理が求められる分野でも利用できるのが強みです。PETは射出成形によって日用品ではボトルやたまごパック、化粧品ケース、電気関係ではフィルム、磁気テープ、自動車関係ではワイパーなどに使用されています。PET樹脂を使った射出成形においては、加熱筒設定と金型温度設定がポイントです。加熱筒温度は、一般的に270〜 280℃に設定しますが、低い温度で充填された樹脂は途中で固化が始まり、最終充填部まで行き届かないため、ショートショットや成形品の表面にさざ波模様や湯ジワ模様が出る外観不良、いわゆるフローマークが発生します。加熱筒温度は、ランナー、ゲート、成形品の形状を考慮した上で、設定する必要があります。また金型温度を上げると充填時の抵抗が減り、樹脂は流れやすくなります。バリ不良を避けるためには、金型温度は、製品を確認しながら徐々に変更する必要があります。

アクリル樹脂によるプラスチック射出成形は三光ライト工業にお任せください

アクリル樹脂(PMMA、pmma)を使用したプラスチック射出成形は三光ライト工業にお任せください。前述のとおり、PMMAの比重はガラスのほぼ半分となっており、流動性が良好かつ射出成形時の充填性が優れているため、複雑な形状の成形品にも適しています。弊社はこうしたPMMA(pmma)の機械的性質を最大限に活かした精密な成形品を低価格、短納期でご提供いたします。また弊社は射出成形のみならず、真空成形や2色成形、インサート成型、LIM成形などの特殊技術にも幅広く対応いたします。2色成形ではエラストマーを含む各素材を使用し、スマートフォンの防水コネクターカバーなどを製作しています。なお、弊社は切削加工は非対応であるとともに簡易金型は製作しておりませんのでご了承ください。また、PEEK(peek)樹脂やPPS(pps)樹脂を含むスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)の取り扱いはございません。金型製作を外注するプラスチック成形会社は少なくありませんが、弊社は金型も自社工場で製作しています。金型も自社製作することで試作品をスピーディーにご提供するとともに、お客様のご要望に最大限柔軟にお応えします。多品種少ロットにも可能な限りお応えするとともに、薄肉、厚肉の量産もお任せください。ご連絡お待ちしています。

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