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射出成形の冷却時間について

射出成形の冷却時間について

射出成形の冷却時間について解説します。射出成形の冷却時間とは、樹脂を充填後、金型内で冷やし固める時間です。一般的に射出成形は型閉時間(金型が閉まるまでの時間)、充填時間(スプルーから流入した溶融樹脂がキャビティの中を完全に充填するまでの時間)、保持時間(キャビティの中に溶融樹脂を充填した後に、ゲート部が固化するまで圧力を加えている時間)、冷却時間(保圧が完了した後に、成形品やスプルー、ランナーがある程度固化するまで冷却している時間)、可塑化時間(次に射出する溶融樹脂を計量するための時間)、型開時間(金型が開くまでの時間)、取り出し時間(成形品をキャビティから取り出すための時間)のそれぞれの時間を要しますが、特に冷却時間が最も長く、サイクル全体の約70%~80%を占めます。したがって冷却時間(冷却期間)はプラスチック製品の成形サイクルと生産量、および品質に直接影響する重要な要素となります。

脱型段階では、プラスチック製品の冷却温度は、プラスチック製品の熱伝導変形温度より低くなければなりません。このように外力による弛緩や反り、成形変形によるプラスチック製品の残留応力損傷を防止することが重要です。なお、適切な冷却時間は、成形品の肉厚、プラスチックの熱伝導率、密度、温度上昇に必要なエネルギーを数値化した熱拡散率という測定値を組み込んだ方程式を使って計算することができます。ここでは射出成形の冷却時間の決定要素である樹脂の種類や溶融プラスチックの温度、金型(キャビティ)温度、射出成形品の肉厚、成形品の取り出し温度、射出成形サイクル・タイムのスピードのそれぞれをご案内します。

また、射出成形の冷却時間を含む成形条件として加熱筒温度、量完了位置、射出圧力(1次圧)、射出速度、VP切り換え位置、保圧(2次圧)、保圧時間、ゲートシール時間、冷却時間、計量(スクリュー回転)、背圧、サックバックをご紹介します。さらに射出成形の冷却時間が不適切な場合に起きる不良として変形、ヒケ、ボイド、反りのそれぞれの症状と対策、あわせて射出成形以外の工法として押出成形とブロー成形を取り上げ、それぞれの冷却時間をご案内します。

射出成形の冷却時間の決定要素

射出成形の冷却時間の決定要素をご案内します。射出成形の冷却時間を決定する要素はいくつかありますが、なかでも樹脂の種類と溶融プラスチックの温度、金型(キャビティ)温度、射出成形品の肉厚、成形品の取り出し温度、射出成形サイクル・タイムのスピードが大きく影響します。ここではそれぞれの要素を詳しく解説します。

樹脂の種類

射出成形の冷却時間は、樹脂の種類によって前後します。射出成形では熱可塑性樹脂を含む様々な材料、素材を使用しますが、使用する樹脂の熱伝導率や比熱によって、冷却時間が異なります。一般的に、融点の低い材料は融点の高い材料よりも早く固化する傾向があります。

溶融プラスチックの温度

射出成形では熱処理された溶融プラスチックの温度も冷却時間に大きく影響します。溶融プラスチックの温度が高ければ高いほど、冷却時間は長くなります。溶融温度は使用する材料によって前後しますので、あらかじめ材料に設定された溶融温度を把握して使用することが重要です。

金型(キャビティ)の温度・形状

射出成形では金型の温度も冷却時間に大きな影響を及ぼします。一般に金型(キャビティ)温度が高いほど、冷却に時間がかかります。反対に金型温度が低いと、材料が早く冷えます。金型温度に応じて適切な冷却時間を確保することが重要です。また、金型の形状によっても冷却時間は前後します。複雑形状の金型はシンプルな形状の金型よりも冷却時間が長くなる傾向があります。

射出成形品の肉厚

射出成形品の肉厚によって冷却時間は変動します。肉の薄い小さな部品は、肉の厚い大きな部品よりも速く冷えます。厚みに応じた適切な冷却時間を確保することが重要です。

成形品の取り出し温度

射出成形では成形品の取り出し温度も冷却時間に影響します。成形品の取り出し温度は、成形材料の種類や金型温度、製品の肉厚などによって異なりますが、一般的には80℃程度が目安といわれます。金型温度が100℃以上になる場合は、120℃程度まで上げることが推奨されますが、状況に応じて判断する必要があります。

射出成形サイクル・タイムのスピード

射出成形のサイクル・タイム(サイクルタイム)のスピードも冷却時間に影響します。前述のとおり、冷却時間はサイクルでもっとも時間を要す工程となるため、サイクルタイムを減らすには、冷却時間の短縮が効果的です。とはいえ、単純に冷却時間を短縮すれば糸引きなどの不良が発生してしまいます。そうした場合、断熱スプルブッシュなどが効果的です。これはノズルが触れる部分にセラミックがインサートされており、熱が金型へ伝わるのを防ぎます。金型への伝熱をなくすことで、熱の影響を受けず、スプル内の樹脂が早く固まり、糸引きを改善できる効果があります。

射出成形の冷却時間の設定ポイント

射出成形の冷却時間の設定ポイント

射出成形では射出から保圧の後は、金型内で製品を冷却します。金型内に充填された樹脂は、金型内部を通る冷却水にて水冷されますが、樹脂は金型に接する面から冷える傾向があります。なお、金型に触れるところをスキン層と言いますが、スキン層が薄い段階で製品を取り出すと、樹脂は大きく収縮しヒケてしまいます。したがってスキン層をしっかりと冷やし固めてから、取り出すことが重要な基礎ポイントです。また冷却時間は取り出した後の製品の寸法に大きく影響を及ぼします。冷却時間が短い場合、熱いまま製品を取り出すと、その後大きく収縮するため、寸法は小さくなる傾向があります。反対に冷却時間が長い場合、完全に冷まして製品を取り出すと、その後の収縮が少ないため、結果として寸法は小さくなりずらくなります。

射出成形の冷却時間を含むサイクル

射出成形の冷却時間を含むサイクルの要素をご案内します。射出成形は大きく分けて型閉時間、充填時間、保圧時間、冷却時間、可塑化時間、型開時間、取り出し時間で構成します。ここではそれぞれの内容をご紹介します。

型閉時間

型閉時間はその名のとおり、金型が閉まるまでの時間です。金型の開閉時間は、射出成形機の型開きストロークと型閉速度によって前後します。金型は重量があるため、型閉速度を早くしすぎると、金型が閉じる時に運動エネルギーにより金型が破損する場合があるため注意が必要で、ブレーキをかけるなどして金型の負担を軽減します。

充填時間

充填時間は、スプルーから流入した溶融樹脂がキャビティの中を完全に充填するまでの時間です。充填時間は、射出成形機の射出速度に基づいて決定します。具体的には射出スクリューまたはピストンの移動速度と射出シリンダー直径によって決まる射出率が影響します。また、充填時間は溶融樹脂の粘度によっても前後します。充填時間が短いと樹脂の充填速度が速くなりすぎて、樹脂焼けやガスが発生する場合があります。一方、充填時間が長すぎると成形品の表面にフローマークやウエルドが現れてしまうので注意が必要です。

保圧時間

保圧時間はキャビティの中を溶融樹脂が充填した後に、ゲート部が固化するまで、圧力を加えている時間です。保圧時間が長すぎると離型不良を引き起こすため、適切な保圧時間を設定することが重要です。

冷却時間

冷却時間は、保圧が完了した後に成形品やスプルー、ランナーがある程度固化するまでの時間です。一般には、冷却時間が成形サイクルの中で最も長い時間を要します。冷却時間に大きく影響するのは金型内で最も肉の厚い部分で、成形品に限らずランナーやスプルーにも当てはまる傾向があります。

可塑化時間

可塑化時間は、次に射出する溶融樹脂を計量するための時間です。一般的には、可塑化時間は、冷却時間と同時に進行し、冷却時間より短くなる傾向があります。可塑化時間を短くしようとして必要以上にスクリュー回転数を上げてしまうと、樹脂の中に空気を巻き込んだり、焼けが発生するため注意が必要です。

型開時間

型開時間は金型が開くまでの時間です。金型の開閉時間は、射出成形機の型開きストロークと型開速度によって変動するとともに金型の開く速度は、最初はゆっくりと開き、成形品がキャビティから離型する際に傷を付けたり、離型不良が生じないように配慮をすることが重要です。

取り出し時間

取り出し時間は成形品をキャビティから取り出すための時間です。突き出し時間や取り出しロボットの作動する時間が含まれ、射出成形サイクルの最終工程にあたります。

射出成形の冷却時間を含む成形条件

射出成形の冷却時間を含む成形条件を解説します。ここでは加熱筒温度、量完了位置、射出圧力(1次圧)、射出速度、VP切り換え位置、保圧(2次圧)、保圧時間、ゲートシール時間、冷却時間、計量(スクリュー回転)、背圧、サックバックのそれぞれの内容を詳しくご案内します。

加熱筒温度

加熱筒温度は、樹脂を溶融するための加熱筒の温度で、使用する原料には、原料メーカーの参考標準温度があります。一般的に加熱筒温度設定 が高い場合、粘度が下がり、サラサラ流れるようになり、ガスの発生が増える傾向があります。反対に加熱筒温度が低い場合、粘度が上がり、流れにくくなるとともにガスの発生は減ります。

計量完了位置

計量完了位置とは、1ショット分の樹脂を計量したスクリューの位置で、計量完了位置設定が多い場合、製品が過充填になり、バリやオーバーパックになるリスクが高まります。反対に少ないと1ショット分に対して不足すると、ショート(ショートショットとも)するので注意が必要です。

射出圧力(1次圧)

射出成形の射出圧力(1次圧)とは、金型に樹脂を充填する際、計量完了位置からVP(バーティカル・プレッシャー)切り替え位置までの圧力値を指します。なお、Vはバーティカル、Pはプレッシャーを意味します。射出圧力(1次圧)設定が高いと、製品が過充填になり、バリやオーバーパックになる場合があります。反対に射出圧力(1次圧)設定が低いと充填に必要な速度がたたないため、充填途中で失速しショートを招く恐れがあります。

射出速度

射出速度は、金型に充填する速度で、計量完了位置からVP切り換え位置までの充填速度が射出速度となります。保圧時の充填速度の設定もしますが、保圧は圧力でコントロールします。射出速度設定が速いと製品が過充填になり、バリやオーバーパックの原因となります。反対に遅いと充填途中で失速し湯ジワやショートとなりますので注意が必要です。

VP切り換え位置

VP切り換え位置とは、金型に樹脂を充填する時、速度制御で充填する9割と、保圧力で充填する残りの1割の切り換え位置です。VP切り換え位置設定が早い、つまり手前の場合、9割程度を速度制御で入れたいところ、早い段階で圧力制御に切り換わると、失速しショートとなります。反対にVP切り換え位置設定が遅い、つまり奥(先端側)の場合、速度制御の速い流れの充填量が増えますので、バリの発生リスクが高まります。

保圧(2次圧)

保圧(2次圧)は充填樹脂を金型内に押し詰める保持圧力のことで、保圧(2次圧)設定が高すぎると、製品が過充填になり、バリやオーバーパックを招きます。反対に保圧(2次圧)設定が低すぎると、流動末端まで樹脂が押し込めず、ショートとなるほか、肉厚部では収縮分をおぎなえないとヒケてしまいますので要注意です。

保圧時間

保圧時間は、充填後半の保圧をかける時間ですが、保圧時間設定が短すぎると、十分に充填されず、ヒケやショートになります。反対に保圧時間設定が長すぎると、過充填になりバリやオーバーパックとなって品質が低下します。また、ゲートシール後の保圧は製品部に影響しないので無駄になってしまいます。保圧力をどのくらいの時間かけるかで、成形品の外観と寸法が変わる点がポイントです。

ゲートシール時間

ゲートシール時間は、ランナーから製品部への入り口であるゲートが、固化するまでの時間で、保圧時間を設定する目安になります。ゲートが固化した後は、いくら押しても樹脂は入らず、保圧時間を徐々に上げて製品をチェックし、成形品の重量が増えなくなったタイミングがゲートシールした時間となります。

冷却時間

冷却時間は樹脂を充填後、金型内で冷やし固める時間で、冷却時間設定が短すぎると、固化が甘く収縮しやすくなり、取出し後のソリや変形を招きます。反対に冷却時間設定が長すぎると、冷えすぎて金型内で収縮した製品は、イジェクト(EJ)時抜き抵抗が増して傷になる場合があります。また、冷却時間設定が長いと、製品取出し後、製品寸法は収縮しにくくなります。

計量(スクリュー回転)

計量(スクリュー回転)は加熱筒内で1ショット分の樹脂を溶融して準備することで、計量設定が速すぎると、スクリュー先端や加熱筒の傷につながるため要注意です。また、冷却時間に比べて計量時間が短いと、樹脂が滞留し変色したり、練りこみ異物の原因になります。反対に計量設定が遅すぎると、冷却時間内に計量できず、基本的に計量完了しないと次工程の型開きに進めなくなります。また、冷却時間が設定値よりも伸びてしまうので、製品の寸法が基準より収縮しないため、大きくなります。

背圧

背圧とは、計量時スクリュー後方から前へ押す力です。背圧設定が高いと計量時間が長くなり、樹脂の密度が増して詰まった状態となります。反対に背圧設定が低いと計量時間は短くなり、樹脂密度は低下して、スカスカの状態となります。

サックバック

サックバックは、計量完了後にスクリューを無転後退することです。サックバック設定が多いと、エアーの巻き込みが多くなり、製品にシルバー(シルバーストリークとも)と呼ばれる不良が発生します。反対にサックバック設定が少ないと、計量した樹脂の圧力が高いままのため、鼻たれと呼ばれる現象が起きやすくなります。

射出成形の冷却時間が不適切な場合に起きる不良

射出成形の冷却時間が不適切な場合に起きる不良

射出成形の冷却時間が不適切な場合に起きる不良をご説明します。冷却時間に起因した不良はさまざまですが、ここでは変形、ヒケ、ボイド、反りのそれぞれの症状や対策をご紹介します。

変形

射出成形の冷却時間が短すぎると収縮が大きくなります。結果として寸法が小さくなってしまい、突き出し時に変形してしまうリスクが高まります。 一方、冷却時間が長いと成形サイクルタイムが長くなり生産性が低下するとともに成形品の加工コストが上昇します。

ヒケ

金型内に充填された樹脂は、冷却と共に収縮しますが、その際、成形品の金型に接する面(スキン層)が冷却不足により収縮し凹むことをヒケと呼びます。金型から取り出された成形品は、完全に冷却されておらず、 20時間以上をかけて収縮する場合があります。 肉厚部分では、残留応力が大きくなるため収縮が大きくなり、成形品の表面にヒケが発生するので要注意です。 一方で、肉厚が薄い箇所では、冷却がしっかりされるので、ヒケるほどの収縮は起きにくくなります。

ボイド

射出成形におけるボイドとは、成形品の肉厚部に空洞ができている状態です。ヒケと似た症状ですが、成形品の金型に接する面(スキン層)が冷却不足により収縮し凹むことをヒケと呼ぶのに対し、スキン層は固化しているものの内部に収縮し真空の空洞ができた状態をボイドと呼びます。ボイドもヒケ同様、冷却時間が短すぎると発生するため、適切な冷却が極めて重要です。

反り

反りは冷却された樹脂製品が、金型から取り出した直後に変形を起こしてしまう現象で、発生するメカニズムはいくつかあります。そのひとつが形状が原因となる成形収縮です。また、成形条件の樹脂温度、金型温度、射出圧力などが原因となる残留応力も原因となります。ほかにも成形品の離型時の突き出しのピン位置、本数、状態、タイミングなどが原因となる外部応力による反りもあります。多くのケースでは、金型のキャビティとコア間に温度差が生じ、板製品の片面が低温、反対の面が高温になり、その温度差から樹脂の収縮に差が生じています。結果、製品が反ってしまいますので温度管理が極めて重要です。

射出成形以外の工法の冷却時間

射出成形以外の工法の冷却時間をご案内します。ここでは押出成形とブロー成形のそれぞれの冷却時間について解説します。なお、三光ライト工業では押出成形とブロー成形には対応しておりませんのでご了承ください。

押出成形

押出し成形は、加熱溶融させたプラスチック樹脂をトコロテンのように押し出して、連続的に成形する方法です。他の樹脂成形方法と異なり、金型内部では樹脂を冷却・固化させず、押出し口であるダイ(金型)に溶融樹脂を通過させ、一定の断面形状に成形します。そのうえでダイから押し出されたあとに冷却・固化させる工法です。押出成形の冷却時間は使用する材料によって異なります。

ブロー成形

ブロー成形は古くから伝わるガラス瓶の製造工程を応用した技術で、空洞のプラスチック樹脂成形品の製造に適しています。溶融樹脂の内側から空気を吹き込み、膨らませて成形することから、「吹込み成形」や「中空成形」とも呼ばれ、ペットボトルや液体化粧品・液体洗剤などの容器、自動車のガソリンタンク、排気マニホールドなどに使用されています。ブロー成形もプラスチック樹脂を使用するため、一定時間の冷却時間が必要です。

射出成形は三光ライト工業にお任せください

射出成形は三光ライト工業にお任せください

射出成形は三光ライト工業にお任せください。弊社は成形品のみならず、金型も自社工場で設計、製作しています。金型から成形品に至るまで一貫対応することで、短納期、低価格を実現しています。弊社は、中原工場に射出成形用金型生産設備を所有しています。同工場にはマシニングセンター、NC放電加工機、NCワイヤー放電加工機、細穴加工機、フライス盤、研磨機など充実の機械、装置を設備しています。

確かな計測工学、材料力学に基づき高機能、高精密のプラスチック成形品をご提供します。大量生産、多品種少量生産、厚肉、薄肉など数量、大小サイズを問わずプラスチック成形品のことであれば何でも弊社にお申し付けください。機械化、自働化、省人化のご相談も承ります。金属加工、めっき、鋳造は非対応ですのでご了承ください。ご連絡お待ちしています。

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