2色成形の不具合について
2色成形の不具合について解説します。ここでは2色(二色)成形で発生する主な不具合・不良(剥離、密着不良、充填不良、外観不良、寸法・位置ズレ不良)をはじめ不具合の発生原因(金型、成形条件、樹脂・エラストマー・材料、成形機)をご紹介します。
目次
2色(二色)成形で発生する主な不具合・不良

2色(二色)成形で発生する主な不具合・不良をご案内します。2色成形で発生する不具合はさまざまですが、ここでは剥離、密着不良、充填不良、外観不良、寸法・位置ズレ不良のそれぞれの不具合の発生原因や対策をご紹介します。
剥離

2色成形の剥離は、1次材と2次材の界面が十分に密着せず、外力で層が分離してしまう不具合です。外観不良だけでなく、機能・強度低下にも直結する深刻な不具合となります。剥離が発生する原因はさまざまですが、材料の相性不良、いわゆる接着性不足が大いに影響します。非極性樹脂と極性樹脂の組み合わせなど異材質による組み合わせでは、分子レベルでの相溶性が低いと接着しません。また、1次成形品の表面温度が低下し冷えすぎていると、2次材が溶着せず界面で融合しにくくなります。同様に1次成形品表面に離型剤や油分、水分が付着していると接着が阻害されます。さらに金型温度が低いと界面が急冷され、分子の絡み合い、つまり溶着が起こりにくくなります。ほかにも2次材の射出温度が低かったり、射出速度が遅く、保圧が不足するなど、射出条件が不適切な場合も剥離が起きやすくなります。加えて接触面積が小さく、機械的ロック構造がないなど、形状設計不良で接着だけに頼る設計だと剥離しやすくなります。これらを踏まえ剥離の発生を防ぐには、材料選定の最適化はもとより、1次材の温度管理、表面の清浄化、成形条件の最適化、金型温度の適正化、形状設計の工夫などが求められます。
密着不良

2色成形における密着不良は、1次材と2次材が十分に接着せず、界面強度が不足する不具合です。剥離とほぼ同義ですが、特に初期接着が弱い状態を指すのが一般的です。密着不良が起きるのは材料の相溶性が低いのが主な原因となります。ポリプロピレンとABS樹脂、ポリエチレンとポリカーボネートのように異なる樹脂同士の親和性が低いと、分子レベルでの結合が起きず密着不良を招きます。また、1次材が冷えすぎていると、2次材が流入しても融着せず、単なる接触状態になります。さらに射出圧力や射出速度が不足すると界面への濡れ広がり、いわゆるウェッティングが不十分となり密着不良となります。また剥離同様、離型剤や水分・油分が付着していたり、成形間隔が長く酸化していると密着不良が起きます。ほかにも金型温度が低すぎると、界面で急冷され、接着前に固化してしまうため要注意です。さらに材料が乾燥不足だと吸湿によるガス発生や界面劣化により、密着力が低下します。接触面積が小さく、圧力が界面にかかりにくいゲート配置だったり、機械的拘束構造がないのも密着不良の原因となります。これらを踏まえ密着不良を防ぐには、相溶性の高い材料を選定するとともに温度条件の最適化、射出条件の見直し、表面状態の改善、金型設計の改善、材料乾燥の徹底などが重要です。
充填不良

2色成形における充填不良、いわゆるショートショットは、樹脂がキャビティの隅々まで行き渡らず、未充填や欠肉が発生する不具合です。特に2色成形では、1次材の影響や工程制約が加わるため、単色成形よりも要因が複雑になります。充填不良は射出圧力・射出速度不足が主な原因で、樹脂を押し切る力や流動エネルギーが不足すると、末端まで到達せず充填不良となります。また、樹脂温度の低さ、つまり流動性不足も大いに関係し、溶融温度が低いと粘度が高くなり、流れにくくなります。また、金型温度が低いと樹脂が流動途中で急冷され、固化して流動停止します。薄肉形状で流動距離が長い設計の場合は、圧力損失が大きくなり、末端まで届かずに充填不良となります。同様にゲートが小さかったり、ランナーが細い、あるいは長いと流動抵抗が増加し充填不良が起きやすくなります。さらにキャビティ内の空気が抜けず、樹脂の流れを妨げてしまうとガス圧による充填阻害要因となります。ほかにも1次材が冷えすぎていると、流路抵抗になるのに加え、1次材の変形・バリが発生すると、2次材の流れを阻害してしまいます。界面での段差や形状不良も充填不良の原因となるほか、材料の乾燥が不足していると、水分によるガス発生や流動不安定により、充填不良を引き起こすので要注意です。これらをふまえ充填不良を防ぐには、射出条件の最適化や温度条件の見直し、金型設計の改善、ガス抜き(ベント)の強化をはじめ1次材形状の見直しなど2色成形特有の対策が重要です。
外観不良

2色成形における外観不良は、色の境界や表面状態、光沢など、見た目に関わる品質が低下する不具合ですが、2色成形では界面や材料差の影響を受けやすく、単色成形より発生要因が多岐にわたります。色ムラ・色にじみ、ウェルドライン、フローマーク(流動跡)、シルバーストリーク(銀条)、焼け(ガス焼け)、光沢ムラ、界面の段差・にじみなどが外観不良にあたります。外観不良の主な発生原因としては材料が大きく関係しています。色材(マスターバッチ)の分散不良によって色ムラ、材料の相溶性が不足すると界面のにじみ・粗れ、異材質による収縮差が大きいと段差・歪みが発生します。また、成形条件が不適切な場合も外観不良を招きます。具体的には、射出速度が遅いとフローマークが発生し、射出速度が速すぎると焼け・ジェッティング、保圧不足はヒケ・光沢ムラ、切替位置が不適切だと流動不安定となります。さらに樹脂温度が低いと表面転写不良・流動跡が残ったり、金型温度が低いと光沢不良・ウェルド強調、温度にばらつきがあると色ムラや光沢ムラの原因となります。ほかにも金型設計や状態が重要で、金型の表面が粗いと転写ムラ、ゲート位置不良になるとフローマーク・ウェルド、ベント不足は焼け、界面設計不良は色にじみや段差を招きます。また、2色成形ならではの問題として、1次材の冷却ムラがあると2次材表面に影響するほか、位置がズレると色境界の乱れ、表面が汚れていると密着や外観不良となります。これらをふまえ外観不良を防ぐには、樹脂温度・金型温度は適正か、射出速度が極端になっていないか、材料の乾燥・分散は問題ないか、ガス抜きは十分か、1次材の状態(冷却・位置ズレ)は良好か、などをチェックすることが重要です。
寸法・位置ズレ不良

2色成形における寸法・位置ズレ不良は、1次材と2次材の位置関係がずれたり、製品全体の寸法精度が規格外になる不具合です。外観不良や密着不良にも直結しやすく、2色成形特有の重要課題となります。寸法・位置ズレが起こるのは1次材の収縮・変形が大きく関係しており、冷却時の収縮差や反り・歪みによって2次工程投入時に位置ズレが生じます。同様に金型の位置決め精度が重要で、回転盤(ロータリープラテン)の位置ズレやスライド機構にガタがあるとキャビティ間で位置が一致せず不具合を招きます。ほかにも1次材の保持が不足するとキャビティ内での保持力が不足し、浮き・ズレの原因となります。ほかにも2次材の射出圧力が高すぎると、1次材が押されて変位してしまったり、1次材と2次材の温度差が大きかったり、金型温度が不均一な場合、熱膨張・収縮の差でズレが発生する場合があります。さらに金型設計が不適切で、位置決め構造(ピン・リブ)が不十分だったりクリアランスが大きすぎると再現性のある位置決めができなくなります。加えて保圧・冷却時間に変動があったり、サイクルが不安定だと寸法がばらつきやすくなります。したがって寸法・位置ズレ不良を防ぐには、機械精度と1次材状態が極めて重要で、回転・スライドの位置決め精度は正常か、1次材が十分に固化しているか、2次射出圧力が高すぎないか、金型のガタ・摩耗はないか、位置決め構造は十分かなどの確認が不可欠となります。
2色成形の不具合の発生原因

2色成形の不具合の発生原因を解説します。不具合の発生原因はいくつかありますが、ここでは金型、成形条件、樹脂・エラストマー・材料、成形機のそれぞれの項目から不具合の発生原因と対策をご案内します。
金型
2色成形の不具合の原因のひとつに金型があります。ここでは金型のゲート位置・ランナー設計の問題、エア抜き不足、コアバック・回転機構のズレに着目して不具合の原因と対策をご紹介します。
ゲート位置・ランナー設計の問題
2色成形で発生する各種不具合は、ゲート位置・ランナー設計の問題が大きく、流動・圧力・温度のバランスを崩す根本要因になります。ゲート位置・ランナー設計が適切でない場合、充填不良、いわゆるショートショットが起きます。具体的には、ゲートが遠すぎると流動距離が長くなり圧力損失が増大します。ランナーが細すぎる、あるいは長すぎると、樹脂が冷えて流れにくくなり、ゲート位置が偏っていると一部に樹脂が届かなくなります。したがってゲート位置を流動末端まで均一に届く配置にするのに加え、ランナー径を拡大し圧力損失を低減するとともに必要に応じて多点ゲート化することが重要です。また、ゲート位置・ランナー設計が不適切な場合、界面に十分な圧力がかからないゲート配置となり、流動方向が不適切で界面をなぞらず、濡れ広がり不足や融着不足を招きます。そのため界面に向かって流れるゲート配置にするのに加え、接合部に圧力が集中する設計とフローが界面を横切るように設計することが重要です。
エア抜き不足
2色成形で発生する不具合は、エア抜き不足(ベント不足)が原因となるケースが多く、特に流動末端・界面・1次材周辺で顕著に現れます。エアが適切に排出されないと、樹脂の充填・接着・外観すべてに悪影響を及ぼします。エア抜き不足が引き起こす主な不具合としては充填不良(ショートショット)があります。これは、キャビティ内に残った空気が圧縮され、樹脂の流れを阻害するとともに、特に流動末端でエア溜まりが発生する不具合です。エア抜き不足を防ぐには、パーティングラインや末端部にベント追加するとともにエア溜まり部に逃げ溝を設ける、必要に応じて真空引きを導入するなどの対策が必要です。また、エア抜きが不足すると焼け(ガス焼け)が発生するためです。これは圧縮された空気が高温化し、樹脂が焼けたもので、黒点・変色・焦げ跡として発生します。焼けを防ぐにはベントの深さ・幅の最適化、ガス発生箇所(合流部・末端)に重点配置、射出速度の過剰な高速化を抑制することが重要です。
コアバック・回転機構のズレ
2色成形で発生する不具合は、コアバック・回転機構のズレが原因となるケースも多く、これは位置精度・再現性・タイミングに直結する問題です。特に2次工程での仕上がり品質に大きく影響します。コアバック・回転機構にズレが生じると、寸法・位置ズレ不良を招きます。これは回転位置の停止精度不良とコアバックのストロークばらつきによりキャビティに対して1次材が正しく収まらないために生じる不具合です。寸法と位置ズレ不良を防ぐには、サーボ制御やストッパー精度の向上、定期的な芯出し・位置調整、センサーによる位置検知の導入などが求められます。また、コアバック・回転機構のズレが起きると、バリやかみ込みが起きやすくなります。これは型締め時に位置が合っていないためにパーティング面に隙間が発生するためで、ガイドピン・ブッシュの精度向上や摩耗部品の定期交換、型締め前の位置補正機構の導入などの対策が必要です。
成形条件
2色成形で不具合が発生するのは成形条件が大きく関係しています。ここでは温度(樹脂温度・金型温度)、射出速度・圧力、保圧・冷却時間に着目して不具合の発生原因と対策をご案内します。
温度(樹脂温度・金型温度)
2色成形で発生する不具合は、温度(樹脂温度・金型温度)が大いに関係しています。温度は流動・密着・外観・寸法すべてに関係するため、設定が適切でないと複合的に不具合が発生します。主な不具合としては充填不良(ショートショット)があります。充填不良は、樹脂温度が低いと、粘度が高く流れにくくなり発生します。また、金型温度が低いと途中で固化し流動停止となります。したがって樹脂温度を上げて流動性を改善するとともに金型温度を上げて固化を遅らせつつ、特に2次材は1次材接触で冷えやすいため高めに設定するなどの調整が必要となります。また、樹脂温度・金型温度が不適切な場合、密着不良や剥離が起きます。これは1次材が冷えすぎると融着しないのに加え、2次材の樹脂温度が低いと界面での濡れ不足を招くためです。そのため、1次材を冷やしすぎないようにするとともに金型温度を高めて界面温度を確保するのに加え、2次材の樹脂温度を適正化することが重要です。
射出速度・圧力
2色成形で発生する不具合は、射出速度・圧力の設定によって大きく左右されます。これらは樹脂の流れ方(流動挙動)と界面の状態を直接支配するため、過不足どちらでも不具合につながります。射出速度・圧力が不適切な場合、充填不良(ショートショット)が起きます。これは射出速度が遅いと途中で冷えて流動が停止し、射出圧力が低いと末端まで押し切れないためです。そのため初期充填は高速射出で一気に充填し、射出圧力を上げて流動末端まで到達させることが重要です。また、射出速度・圧力が不適切な場合、バリ(フラッシュ)が起きやすくなります。これは射出圧力が高すぎるのに加え、高速射出により瞬間的に過大圧が発生するためです。バリを防ぐには射出圧力の上限を適正化するとともに多段射出で速度をコントロールし、型締め力とのバランスを図ることが重要です。ほかにも射出速度・圧力が不適切な場合、密着不良・剥離、フローマーク・焼け・ジェッティングなどの外観不良が起きやすくなります。
保圧・冷却時間
2色成形で発生する不具合は、保圧・冷却時間が影響します。保圧は収縮補償と密着の確保、冷却時間は形状安定と再現性の確保に関わるため、過不足どちらでも品質トラブルを招きます。保圧・冷却時間が不適切な場合、充填不良(ショートショット)が起きやすくなります。保圧が不足すると、充填完了後の樹脂補給ができないほか、冷却時間が短かくゲートシールが早すぎると、圧力が伝わらないため充填不良となります。そのため保圧圧力・時間を適正化するとともにゲートが固まる前に十分な保圧をかけることが重要です。あわせて金型温度・冷却条件の見直しが必要となります。また、保圧・冷却時間が適切でないとヒケ・ボイドが発生します。これは、保圧不足になると収縮分を補えないのに加え、冷却時間が不足すると内部が未固化のまま取り出すことになるためです。したがって保圧を十分にかけるとともに、冷却時間を延長し完全固化させるといった調整が求められます。
樹脂・エラストマー・材料
2色成形の不具合は樹脂・エラストマー・材料などが原因で発生する場合があります。ここでは硬質材料+軟質材料、収縮率、材料の相溶性・接着性、吸湿による不良、複雑形状のそれぞれの視点から2色成形の不具合の発生原因と対策をご案内します。
硬質材料+軟質材料
2色成形で幅広く採用される硬質材料+軟質材料の組み合わせは、グリップ性やシール性などの機能性を高められる一方で、ポリカーボネートと+TPE(熱可塑性エラストマー)、ABS樹脂とTPU(熱可塑性ポリウレタン)など材料特性の差が大きいこと自体が不具合要因になります。硬質材料+軟質材料で発生しやすい不具合としては密着不良・剥離があります。これは相溶性が低いのに加え、軟質材が硬質材表面を十分に濡らせない、あるいは硬質材が冷えすぎて融着しないことが原因です。そのため、接着用TPEのような接着グレードの軟質材を選定するとともに硬質材表面温度を高めに維持したり、金型温度を上げて界面の融着性を向上させることが重要です。また、硬質材料+軟質材料で発生しやすい不具合としては、寸法不良・反り・位置ズレがあります。これは収縮率の差や弾性差による変形によって起きるもので、収縮差を考慮した金型補正や肉厚バランスの最適化、リブ・アンダーカットといった拘束構造で位置固定するといった調整が必要となります。
収縮率
2色成形で発生する不具合は、材料の収縮率の違いが大きな要因になることが多く、特に硬質+軟質といった異材の組み合わせでは寸法、外観、密着すべてに影響します。収縮率の不一致は内部応力や変形を生み、複合的なトラブルにつながります。材料の収縮率が大きいと寸法不良や反り、位置ズレが発生しやすくなります。これは1次材と2次材で収縮率が異なるために、冷却時に引っ張り合いが発生し、反り、歪み、位置ズレとなるためです。したがって収縮率の近い材料を選定するとともに、収縮見込みを踏まえた金型寸法に補正し、冷却バランスの最適化を図ることが重要です。また、材料の収縮率が大きいと密着不良や剥離が起きやすくなります。これは冷却後、収縮差で界面に応力が発生し、接着界面が引き剥がされるためです。したがって収縮差の小さい材料を組み合わせたり、アンダーカットなど機械的固定構造を追加する、保圧で界面密着を強化するといった調整が重要です。
材料の相溶性・接着性
2色成形で発生する不具合は、材料の相溶性・接着性が原因になっているケースがあり、特に異材質の組み合わせは品質を大きく左右するポイントです。相溶性、接着性が不十分だと、界面での分子レベルの結合が弱くなり、さまざまな不具合を招きます。そのひとつが密着不良・剥離です。これは分子構造の違いにより相互拡散が起こらないためで、ポリプロピレンとABS樹脂などのように極性の違いによって起こる不具合です。そのため、不具合を防ぐには相溶性の高い材料同士を選定する、接着グレード(接着用TPEなど)を使用する、プラズマ処理やコロナ処理など表面を改質するのが効果的です。また、材料の相溶性・接着性が低いと界面のにじみや粗れなどの外観不良を招きます。これらの不具合を防ぐには、明確に相溶する、または相溶しない組み合わせを選ぶとともに、流動方向やゲート位置で界面を制御することが重要です。いずれにしても2色成形では材料同士はそもそも接着可能な組み合わせか、接着グレードを使用しているか、界面温度は十分か、冷えすぎていないか、などを事前に確認するのが基本となります。
吸湿による不良
2色成形で発生する不具合は、吸湿による不良が原因になるケースも多く、特にABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなどの吸湿性樹脂を使用する場合に顕著です。材料中の水分は成形時にガス化し、外観・密着・強度に悪影響を及ぼします。吸湿が不十分な場合、シルバーストリークや曇り、気泡といった外観不良が発生しやすくなります。これらが発生するのは、含まれた水分が加熱で蒸発し、ガスとなって樹脂中に筋状・気泡として残るためで、成形前の十分な乾燥と密閉管理が不可欠です。また、吸湿が不完全だと界面に水分由来のガス層ができて、樹脂同士が直接接触しないため密着不良・剥離が起きやすくなります。こうした不具合を避けるためにも、材料乾燥の徹底はもとより、界面温度・圧力を高めてガスを押し出す、エア抜き(ベント)の強化といった対策が求められます。ほかにも材料の吸湿が不十分だと、強度低下や脆化など品質に大きな影響を及ぼします。
複雑形状
2色成形では複雑形状になるほど、不具合の発生リスクが高まります。流動経路、肉厚、界面形状が複雑になるほど、流れ、圧力、温度、位置決めのバランスが崩れやすく、複合的な不具合につながります。複雑形状の場合、流動経路が長く入り組んでいたり、薄肉部や急激な断面変化があるため、圧力損失が大きくなり末端まで充填できず、充填不良が起きやすくなります。したがって流動距離短縮のためにゲート位置の最適化や肉厚の均一化、射出速度・圧力の最適化などが重要です。また、複雑形状の場合、流れの合流点が多いため、ウェルドラインが増加したり、急激な流動変化によるフローマーク、ガス溜まりが発生しやすいため焼けなどの不具合が発生しやすくなります。外観不良を回避するには流動解析による事前検討やベント(エア抜き)の強化、ゲート配置の見直しなどが重要です。ほかにも複雑形状の場合、密着不良・剥離、寸法不良・反り・位置ズレ、バリ・樹脂だまりなどの不具合が起きやすくなるため要注意です。
成形機
2色成形の不具合は成形機に起因するものもあります。ここでは2色成形機特有のトラブル、段取り・位置決め精度、自動化との関係の観点から2色成形の不具合を考察します。
2色成形機特有のトラブル
2色成形機は通常の射出成形機に比べて機構が複雑なため、設備特有のトラブルが発生しやすくなります。回転機構(ロータリープラテン)やコアバック機構、2射出ユニットの同期不良、金型位置決め・クランプのトラブルなど、さまざまなトラブルを回避することが重要です。
段取り・位置決め精度
2色成形機における段取り・位置決め精度は、外観・寸法・密着を含む製品品質を左右する最重要管理項目です。特に2色成形では、1次材をインサート部品として正確に再配置する工程があるため、通常の射出成形以上にシビアな精度管理が求められます。その精度管理が不具合の撲滅に不可欠となります。
自動化との関係
2色成形機の不具合は、自動化との関係が非常に深く、自動化のレベルや設計の良し悪しが品質の安定性に影響します。自動化との関係で発生する主な不具合としては位置ズレ不良、密着不良・剥離、充填不良、外観不良などがあります。これらを回避するには適切な設定条件はもとより、ロボットの繰返し精度などが極めて重要となります。
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